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【Vol.347】「2023年・冬 日本出張紀行 (4)」最終話

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2023/3/31 Vol.347 「2023年・冬 日本出張紀行 (4)」最終話 ● 先週からの続き。在NY22年の僕は、長い長い日本出張で気づいたことを書くことは、なにより、日本の素晴らしさ、アホらしさ、その両方を伝えていけると思っているので。 パーティの翌日は大阪に移動です。このあたりから、体調が思わしくない。いや、コロナ云々は関係ないと思います。単純に、、老化? 仕事でハードスケジュールは慣れているつもりでも、身体は正直に年を重ねています。以前まで平気だったスケジュールに、気持ちは平気のままでも、身体が動かない。岡山では市長への表敬訪問、商工会議所所長との食事会も予定されていましたが、本当に申し訳ないと思いつつキャンセル。次回は必ずと頭を下げました。1年で一番楽しみにしている幼馴染ポンコツ軍団との飲み会も、申し訳ないと謝りました。 岡山から新大阪までは新幹線で50分。たった50分。19歳の頃、家出をした。当時27000円の所持金しかなかったので、いちばん近い都会が大阪だったという理由だけです。もう2万円余計に持っていたら東京に出ていた。その際は、大袈裟にも二度と故郷には帰らないくらいの気持ちで出たのだけれど、岡山〜大阪間なんて、ヘタすりゃ「通勤圏内」。19歳にも関わらず、結構な中二病だったのだと思います。それでもど田舎生まれの僕には大阪という街は「遠くへ来たもんだ」と思ったものでした。 それが、いま、改めて、50分、という事実に笑いが込み上げてくる。世界から見たら「隣町」じゃないか。JFK〜成田の飛行時間は14時間。人間、14時間も狭い機内に閉じ込められていると、残り1時間半くらいで「あぁ、やっと到着した」くらいに思えてきます。残り1時間くらいになったら、機内の乗客はなんとなく、帰り支度をし始めます。荷物をまとめたり、上着を着たり。でも、岡山〜新大阪間で、乗って すぐに帰り支度をする人間はいない。時間にしたら1時間以内なのに。飛行機の国際線の場合、着陸した後も、地上をランディングしたり、搭乗口の順番を待ったりで、1時間以上は待たされることも珍しくありません。そうか、、50分の距離だったのか、改めてあの頃の「家出」はバカなガキの小さな小さな反抗だったのだと実感します。人間の移動距離と器は比例する。 大阪はまったく違う主催者、違う会場で、2日連続の講演会とセミナー。特に初日は自分にとって“伝説的な一日”(笑) となりました。主催者側のスタッフの方にホテルに車で迎えにきてもらって、最後ホテルに送ってもらうまでの12時間。体感時間は15分くらいに感じるほど、楽しくあっという間の1日でした。つくづく、講演家やインフルエンサーとやら、にはなれねえなぁ、と自分で思います。だって参加してくださった方より自分の方が楽しんでるから。そんな奴、なっちゃいけない。やはり自分的にはどこまで行っても新聞屋の“発表会”なんです。 余談ですが、過去100回以上講演会やセミナーのお仕事をやらせて頂いていますが、ただの一度も「台本」や「資料」、パワーポイント等を使用したことはありません。定員300名の日比谷コンベンションホールの時ですら、まったく原稿も資料もないまま90分話し始めました。決して手を抜いているわけではありません。まったく逆です。真剣勝負しようと思っている。 それらを使用しない理由。僕にとって講演会だのセミナーだのは、どこまで行っても「その業界・ジャンルに詳しい人間が、その業界・ジャンルを知らない人に情報を提供する」という定義になります。では自分が何を求められているか。やはり「世界の中心と言われる街の、社会的、経済的現状、ひいては、その街のトレンド、そこから見た日本。日本が今、世界の中でどう思われているか、どこに秀でて、何が足りないか

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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