第255号(2023年3月24日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
今週も【Win-Winを真に叶える方法】についてお話しします。
先週号では、Put yourself into your own shoesと題して、まず自分自身の身になって、
目前の交渉について考えてみることの重要さについてお話いたしました。
今週号では2つ目のポイント【Your inner BATNA設定のススメ】についてお話いたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週は本当に盛りだくさんな一週間でした。
一つ目は【岸田総理によるキーウとブチャへの電撃訪問】です。
インド・モディ首相との首脳会談を終えた直後、政府専用機には乗らず別途手配されたチャーター機でポーランドに飛び、
そこから列車で10時間ほどかけてキーウ入りしてゼレンスキー大統領との首脳会談を果たしました。
『G7議長国の首相として、ウクライナ支援の先頭に立つ姿勢を示すために非常に有意義な訪問だった』
と自他ともに評価するものでしたし、米国政府からも『真のリーダーシップだ』と勇断を称えるコメントが寄せられましたが、
果たしてどこまで額面通りに受け取るかは迷うところです。
多額の支援を提供することになったとはいえ、一旦NATOのファンドに入れての拠出となることと、
一応、非軍事的な装備品という但し書きは付くものの、
一旦NATOの基金に入れたものの使途をどこまでトラックできるかは不明な点はあまり伝えられていません。
G7諸国に対しては顔向けできるかもしれませんが、中ロのみならず、
グローバル・サウスの各国に対しても納得してもらえるようなものかどうかは懸念が募ります。
二つ目は【20日から3日間に及んだ習近平国家主席のモスクワ訪問】です。
予想通りのタイミングではありましたが、予想を超える成果を中国は得た訪問になったものと思われます。
一言でいえば、ロシアとの微妙な距離感を獲得しつつ、
ロシアからの外交的な支持のアップグレードを得た訪問であったと言えます。
詳しくは【2】の『国際情勢の裏側』でお話いたします。
三つ目は、ウクライナ絡みで【英国がウクライナに劣化ウラン弾を供与する】という驚愕のニュースです。
真偽については分かりませんが、劣化ウラン弾投入がロシア・ウクライナ戦争に与える物理的・心理的影響を考えると、
非常に懸念を抱きます。
私自身、コソボやアフガニスタン、イラクなどのケースに携わりましたが、後日、劣化ウラン弾が使用された疑いが浮上し、
非常に肝を冷やした記憶があります。続報を待ちたいと思いますが、ロシアによる核使用の可能性を非難するのであれば、
英国による劣化ウラン弾供与も非難されるべきではないかと私は考えます。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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