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<Vol.1323号 金曜緊急増刊;右往左往する中央銀行(2)>
2023年3月24日:米欧の銀行危機と、金融商品の価格
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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米欧で、突然表面に出てきた銀行危機(債券の下落)のなかで、FRB
の金融政策が「迷走」を続けています。
銀行危機は突然のものではない。危機の準備期間は2年、3年はありま
す。その間、隠蔽されている。体内で育ったものが、ある日、皮膚を
破る。シリコンバレー銀行、シグネチャーバンク、クレディスイス、
そして次の大きな噂は、ECB(ユーロの中銀)が0.5ポイント金利を上げ、
3.0%にしたドイツバンクでしょう。
満期前のデリバティブ契約は、元本が37兆ユーロ(5210兆円)あると
いう。金利スワップ(交換)、通貨スワップ(交換)、証券化された
債務。契約のときより、金利が上がり、通貨や株価が変動すると、オ
プション・先物・CDSのように、レバレッジされた巨大損または利益
が出る、銀行間契約がデリバティブです。満期日前の損益は簿外であ
り、分からない。デリバティブは、平時には、金融を安定させます。
しかし、金利が上がり債券の価格が下がる金融危機のときには、時限
爆弾になります。
FRBは、1か月前の内容を10日前に否定したかと思うと、今度は肯定す
る。古風な言葉では朝令暮改。見通しがつかない危機のとき起こるも
のです。
その原因は、FRBが雇用統計、労働の需給と失業率という景気の「遅
行指標の動き」を重んじていることが大きい。
圧縮して、論理的に書いています。その論理を、じっくりと辿ってく
ださい。個人の、知的な財産になるはずです。本稿の内容は、普通の
本には、書いていないことです。自分を投資家としての立場において
書いています。
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