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ちょっと休憩

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室184.2023.3.26. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php **************************** ちょっと休憩  「願わくば我に七難八苦与へたまえ」は山中鹿之介の名言として名高い言葉ですが、私は全く逆の人間です。目の前に苦しい道と楽な道が有れば、必ず楽な道を行く人間なので、遊ぶ時間や飲みに行く時間がたっぷりあるときは決して読書しようとは思いません。暇な時は遊んでしまい、決して読書はしないのです。読書をするのは決まって忙しい時、目の前に仕事が山積みされたり、試験の直前など、しなければいけない ことが多い時、現実からの逃避の為に読書をします。一生で一番読書をした時期は高校三年生の大学受験直前か、医師国家試験を目前とした大学卒業直前の時代でした。しかしながら、昨年夏の終わりから今にかけても、負けず劣らず読書をしているので、私にとって、今この瞬間は、かなり忙しく、多忙な状況であり、現実逃避の為の手段である読書が必要な状況なのでしょう。  さて、本屋に行くと並べられている本の多くは、「ミステリー」が多いわけで、必然的にミステリーを読むことが多くなります。最近の日本ミステリーの特徴は一言で言えば、薄い、直ぐ読めてしまう、特殊な状況に限定しての話になっているなど、ありがたくない3拍子揃っているような気がして、どうも好きになれません。昨年話題になった「方舟」も、江戸川乱歩賞をとった「この世の果ての殺人」も特殊な状況下の 話で、どうも好きになれませんし、「真相をお話しします」などは、1時間も有れば読めてしまうので、ちょっとね〜と言う感じでした。この手の「ミステリー」は、数年後にはChatGPTで書けてしまうんじゃないのかなどと思ってしまいます。ただ、「爆弾」や、「リバー」、ちょっと特殊ですが、「踏み切りの幽霊」など中々面白い本もあることは事実ですが。  日本作家が書いた本は、状況が想像しやすく、感情移入しやすい為、あっさりと読めてしまいます。その反面、翻訳小説は感情移入しにくく、読み出しても途中で嫌になってやめてしまうこともあり、私には少し敷居が高い為、敬遠していました。そんな中、最近2冊呼んでみたので感想を記載させていただきます。  「ザリガニの鳴くところ」と「われら闇より天をみる」です。読書してみて、日本のミステリーに比べて骨太、時間がかかるし気合いを入れないと読破できません。日本ミステリーは面白くなくても、流して読めばすぐ終わっていた感じで読めてしまうのですが、こちらの2冊はそうはいきませんでした。両者とも、真っ向勝負で人生そのものを扱う小説であり、あくまでも主役は人生、ミステリーは添え物のような感じで 、特殊な状況下でミステリーだけを際立たせようとする日本ミステリーとは正反対で、品格さえも感じてしまいました。一気読みはできませんが、面白いのかどうか分からないうちに読み進め、読み終わったらそこに感動があったような感じです。  特に「ザリガニの鳴くところ」は文章全体が「夏の終わりの夕暮れ」のような雰囲気で美しく、さほど面白いと思って読み進めたわけではありませんが、読み終わった後、得体の知れない憂いを帯びた感動が押し寄せ、しばらく物思いに耽ってしまいました。  ミステリーではありませんが、最近感動した本を一冊紹介して終わりたいと思います。「成瀬は天下をとりにいく」です。この本も、薄く、あっと言う間に読めてしまいますが、素直に成瀬の生き方に感動し、馬鹿馬鹿しいようで真剣な「青春滋賀県小説」とでも言うべきでしょうか。きっとこの本の作家は膳所高校→京大卒業なんだろうななどと想像しながら、笑いながらも涙が出てしまった小説でした。僕も百人一首得意ですよ。(読んでみたらわかります)読みやすい本なので、皆さんも是非読んでみて下さいね。 ***************************** ドクター畑地の診察室184.2023.3.26号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 次号は2023.4.2です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください! ◆2023年02月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2023/02 2023/02/26 喘息治療の変遷パート2その2

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