市場のテーマが変わった
世界経済がインフレ一辺倒から米銀破綻、クレディスイスの経営危機を経て、インフレと金融不安の併存する状況となりました。ECB、FRBはまだインフレ抑制に片足を置きつつ、金融不安軽減にも目配りが必要になりました。市場のテーマもインフレから金融不安、信用不安にシフトしつつあり、相場の決定要因にも変化が見られます。
このテーマ変化の背後にはFRBの存在があります。23日のブルームバーグ・テレビの討論会で、サマーズ元財務長官とタルーロ元FRB理事はこぞって、今回の金融不安にはFRBの監督不適切があったと指摘しています。つまり、2021年から明らかにインフレが進み、22年春の銀行に対するストレステストでは当然金利上昇が銀行経営に与える影響を精査する必要があったと指摘。
それを怠ったことが、金利上昇による債券相場の大幅下落の影響を見逃し、今回の債券売却損による銀行経営悪化につながり、しかもデジタルでいつでもいくらでも預金を引き出せるようになったことが銀行破綻を早め、金融不安を高めてしまった面は否めません。インフレ、金利上昇から金融不安に世の関心を変えてしまった責任はFRBにもあります。
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