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2023.04.03発行 NO:0110
家畜人ヤプー倶楽部(家畜人ヤプー全権代理人 康芳夫)
康芳夫、三島由紀夫を語る(2)
かの三島由紀夫自裁事件は一般人は勿論余程この事件に関心のある人達の間で
も今や忘却の虚空に紛れ込んだ感がある
毎月 第1月曜日(祝祭日・年末年始を除く)発行
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◆家畜人ヤプー
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昭和四十四年
『ぜひ、あれを見つけ給え。あれこそは戦後最大の傑作だよ。
マゾヒズムの極致を描いたまったく恐ろしい小説だ。
出版する価値のある本だ』
そう三島由紀夫は小生に熱を込めて家畜人ヤプーの内容を語りつづけた。
◆康芳夫、三島由紀夫を語る(2)
で、第3幕が例の『血と薔薇』を出す時ね。澁澤龍彦が責任編集。で、その下
に立花隆君がいたんだが、編集長としての立花君は色々行き違いがあって実現
しなかった。もし、実現していたら『家畜人ヤプー』と立花隆の組み合わせと
いう大事件になっていたね。それはそれとして、三島が「戦後文学史上の最高
傑作」と絶賛する『家畜人ヤプー』に関しては三島の推薦もあり、『血と薔薇』
に載っけたらいいんじゃないかということになった。ところが、その作者が何
者でどこにいるかも全然不明だと言うことがあって、それでオレが作者を探し
当てて連載することになった。その時三島は『血と薔薇』の、実質的な最高顧
問だったんだよ。だからその時にオレの名前が出たら、「ああ、あの人か」っ
て、もう時間も経ってたしね、そんな不愉快な顔はしなかったらしいよ。三島
は、『家畜人ヤプー』に関しては元々連載していた『奇譚クラブ』の切り抜き
まで持っていた。色んな事情があって澁澤は3号で降りちゃったんだけど、立
花隆の代わりに平岡正明が編集長になった4号目に『家畜人ヤプー』は掲載さ
れたわけ。
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