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第126号「東京大空襲を多角的に知る本と映画」

久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」 授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと 毎月第1-4 火曜日発行 vol.126 2023/03/28発行 *========*========*=======*=======* テレビ特番では報道されない大空襲の真実 *========*========*=======*=======* 2. 大人の読書&雑誌三昧 >世界がキナ臭い今だから読みたい大空襲の本3冊 私は、毎日、NHK-BSで「世界のトップニュース」や「国際報道」を見て、日本では報道されない事実を知るのを日課にしております。 当然ながら、この1年あまりはウクライナ戦争のニュースばかりです。いまだにカンボジアの人を苦しめている地雷がばらまかれたり、イラクで放射能汚染が問題になっている劣化ウラン弾を供与する話になったり、耳を疑うような「現実」が報道されています。 もちろん、空爆のニュースも後を絶ちません。民間人も巻き込み、戦争犯罪を問う議論も巻き起こっています。 しかし、第二次世界大戦の時に、私たち日本人も、広島、長崎の原爆だけでなく、東京はじめ主要都市が焼夷弾で焼け野原になった経験をしているのです。言わば日本大空襲という言える空爆の犠牲者は、民間人を中心として46万人とも言われています。 私のふるさと墨田区は、東京大空襲の被害が甚大で、焼け野原になった場所のひとつです。毎年3月10日には、私が子供の頃の遊び場だった横網町公園にある東京都慰霊堂で、10万人ともいわれる犠牲者を弔う慰霊大法要が行われています。 そんな負の遺産を背負った墨田区発で、未来の子供たちに語り継ぎたい話が、2冊の素晴らしい本になっています。 そして、実際に空白を行った米空軍将校たちの証言をまとめた驚くべき本も見つけました。 3月10日の東京大空襲に関するニュースが、年々減っていく、忘れされていく一方で、世界の分断と特定国への憎悪が進んでいることに、私は怖さを感じています。 このメルマガでは、なるべく楽しい学びと遊びを伝えたいのですが、今回は、あえて忘れ去られた事実、思い出したくない真実について、読書をしてみましょう。 1)あの日を忘れない~描かれた東京大空襲 おじいさんとおばあさんが、まだ子どもだった60年まえの3月10日の夜に、東京でほんとうにあった忘れられないできごと…空襲体験者96人が描いた絵画121点を収録。 これは、すみだ郷土文化資料館がまとめた特別な絵本です。絵や文を描いたのは、プロの作家ではありません。東京大空襲でも、一番被害が大きかった場所のひとつ、東京下町の墨田区で、実際に子供時代の空襲を体験した人たちが見た現実なのです。 もちろん上手な絵ばかりではありません。だからこそリアルなのです。むしろ怖さが伝わってきます。 この世の地獄を味わった子供たちが、絵を描く時に選んだ色の多くは赤。燃え盛る炎の色。その炎は、街を焼き尽くすだけではなく、人々をも包み込みました。隅田川に飛び込んだ人にも容赦なく、水面をなめるように炎は進んでいきました。

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  • 21世紀の世界は驚きに満ちています。 海外はロンドンの片田舎から、シンガポールの怪しいマーケットまで。国内は美術館・コンサート・グルメ天国の東京から、ツアーガイドに載らない日本の秘境まで。DEEPな旅へと写真付きでご案内。 ネットはサブスク天国となり、古今東西のA級C級映画・アニメから伝説のライブまで、みんなで観たいものだらけ。経営者向けの講演や大学での授業、新聞連載やSNSでは紹介できないオモシロ怪しい超雑学的コンテンツをご紹介します。 大人のなんでも人生相談も毎週実施中ですのでお気軽にご相談を!
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