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ビジネス知識源プレミアム(水曜刊:660円/月:税込):Vol.1324
<Vol.1324号 正刊:世界的な銀行危機の行方を、予想する>
2023年3月29日:米欧の銀行危機と、金融商品の価格
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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当地では池の端の桜が今年も満開です。自然は、時期を待ち確実にくり返しますが、人工の金融と経済は日々新しく、未踏の領域に進みます。
米欧で勃発した銀行危機が、2023年、24年にどうなっていくかを、事実データから予想します。早まった論になるかもしれない。銀行の、隠された事実データは切迫しています。渾身のリポートを提供します。
デリバティブ金融のことが混じるので、普段は、一般の銀行員も目にしない専門用語が多く登場します。その都度、その仕組みの解説を、加えています。このため、若干、記述が長くなりました。論理をたどって読んでください。
国民が騒いでいないのは、銀行資産のリアルタイムの事実と、含み損の理由を知らされていないからです。
銀行システムに切迫した危機が起こっても、政府から隠蔽されるのは常です。経済新聞も銀行不安の可能性は分析しません。破産したあと「破産した」伝えるだけです。これに、情報価値はあるでしょうか。
「預金不安」を起こさないことが目的という。しかし、金融の台風が来る可能性が高いとき「台風は来ない。いざとなったら政府が対策を打って鎮めることができる」と伝えることは、今回は正しいしくないと考えます。中央銀行への信認の危機でもあるからです。その信認の危機が何であるかも、後述します。
【複雑系の金融】
世界金融は、要因が多数絡み合う「複雑系」です。相関、並行、創発、波及、逆流がある。来年の気象予報のような不確実と予測の不能をはらみます。予想が難しいことは、承知しています。
エコノミストは予想のリスクを避け、あと解釈しか、しません。2008年のリーマン危機の前も、金融危機の広がりを予想する主力のエコノミストはいなかった。
サブライムローンのデフォルト増加が原因だとはしても、銀行間レポ金融の停止が、世界的になったシステミックな危機の原因だったとした人はごく一部の人でした。
・日本では、惜しくも亡くなられた慶大教授の池尾和人氏でした(『連続講義:デフレと経済政策:2013年』)
【銀行のシステミックな危機】
「システミックな危機」は、説明が必要でしょう。システムは内部が相互につながっている系です。「系」はシステムです。太陽系では1つの天体の欠落も許されない。相互に関係し、バランスを保っているからです。
◎全部がパイプでつながった蛸壺が銀行システムです。部分が全体に影響します。リーマン危機から15年後の現在も銀行の構造とシステムは変わっていません。
銀行に対しては金利は高くてもリスクが極度の高いデリバティブの規制は、行われました。このなかでCoCo債(銀行のTier1にいれることができる劣後債であるAT1債)は、「安全だ」として許容されました。
◎株式に転嫁されるATI債の金利はクレディスイスの破産前は。7.5%くらいでしたが、現在は15%~29%に高騰しています。リーマン危機のとき、住宅ローン債券のデフォルトを保障していたCDS債の高騰に似ています。
・・・クレディスイスの破産では、よく読むと分厚い目論見書に破産条項があり、2.2兆円のAT1債が、ゼロ円になっています。ここに見るように、リスク確率を売買するデリバティブの安全は、金利が上がるときは、神話になります。
生命保険(これもデリバティブと同じ)では、予想していた死亡率(=金利に相当します)が、想定以上に高まると、保険会社とその中央銀行にあたる再保険会社も支払いができないリスクになっていくことと同じ現象です。
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