第256号(2023年3月31日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
気づけば早いもので今日で3月も終わります。
いよいよ明日から4月、2023年度のはじまりです☆
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
今週も【Win-Winを真に叶える方法】についてお話しします。
先週号では、【Your inner BATNA設定のススメ】についてお話しいたしました。
Inner BATNAとは、
【交渉の有無に関わらず、自分が本当に欲するものを叶えるために無条件で行う行動を明らかにして認識すること】でしたね。
これを行うか否かで、本当にWin-Winな結果を導き出せるかどうかが決まります。
今週号では【目の前で起こっていることに対する見方と認識を変える(Reframe Your Picture)】についてお話しします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も盛りだくさんな一週間でした。
一つ目は【中国は調停“人”を目指すのか?】です。
先日のロシア訪問とプーチン大統領との首脳会談で、ロシア・ウクライナ戦争の仲介を呼びかけた中国・習近平国家主席。
国際社会を驚かせたサウジアラビア王国とイランの和解に向けた仲介。
そして今週は、民主化運動への弾圧とクーデーターを受けて、
国際社会から孤立を強めるミャンマー情勢の仲介に乗り出すと発表した中国。
全人代閉会後、一気に加速した中国による国際社会での活動の活発化。
これはどのような意味を持つのでしょうか?
そしてウクライナ・ゼレンスキー大統領から届けられた習近平国家主席のウクライナ訪問要請への対応も気になります。
【2‐国際情勢の裏側】のコーナーでお話しします。
二つ目は【脱炭素の盟主に黄信号?‐EUが認めた合成燃料車とドイツの言い分】です。
『2035年以降は内燃機関を持つ自動車の製造・販売を禁止する』
EUが推し進めてきた運輸部門での脱炭素の方向性は、
今年に入って展開されたドイツ政府およびドイツの自動車産業からの抵抗で否定され、
結果的に“合成燃料に限る”という但し書きをつける形で決着を見ることになりました。
ただ、環境技術と政策によって世界の脱炭素の動きをけん引する立場をゆるぎないものにすることを目的としていた
EUの目論見は、域内最大の力を持つドイツ(環境先進国)によって否定されました。
欧州内はもちろん、日米の自動車業界からも既存の内燃機関を今後も続けられるとの評価をされている決定となり、
「技術者の雇用と技術を守る望ましい結果」という見解もありますが、
今回のドイツの抵抗は、EU内で燻る統一に対する抵抗と亀裂の拡大、
そしてドイツの政策転換の噂を一層強めることとなりました。
しかし、環境政策と対策に関しては、個人的には『またか・・』という感覚があり、
いつも高い目標をぶち上げて他国を混乱させ、目標年間際にさらっと目標を下げる常套手段に見えています。
三つ目は、ウクライナ絡みで連鎖的に起こっている【危険な動き】です。
先週号でも懸念を表明した英国による劣化ウラン弾の供与に加え、ロシアのプーチン大統領が表明し、
31日にも合意されることとなる“ロシアの戦術核をベラルーシに配備する”という事態も、
戦闘そのものおよび地域の安全保障のエスカレーション傾向を示すのではないかとの懸念を持っています。
ここには核不拡散に対する認識の違いやNPT体制の限界、核保有国の二枚舌とうったいろいろな問題と懸念があります。
本件についてはすでに議論が始まっていますが、ある程度分析がまとまりましたら、またお話しできればと思います。
四つ目は【出口の見えないミャンマー情勢】です。
延期が繰り返される総選挙は、延長された非常事態宣言と共に先延ばしにされるようです。
またNLDを排除し、軍による支配(独裁)が継続し、強化される見込みであることも見えてきます。
先日、軍のパレードが行われた際、暫定首相の座と国軍の総司令官の座を兼任するアウン・ミン・フライン総司令官は、
抵抗を進める民主派グループ(挙国一致政府NUG)をテロリストと詰り、徹底的な弾圧を表明しました。
そのパレードには中国とロシアの駐在武官が参加しましたが、
中国は内紛の仲介を、ロシアはミャンマー国軍への武器供与の増加を発表しました。
(つまり、ロシアにはまだ供与する武器があるということになります)
そしてロシアはさらにミャンマーに小型原子力発電所を行うだけでなく、
ミャンマーの希望に応じる形で天然ガス開発への支援を行うことで合意したようです。
ロシア以上に孤立を深めるミャンマーですが、中国とロシアという強い後ろ盾を得て、
東南アジアにおける親ロシア・中国国家となる道を選択したようです。
今後、東南アジア地域、そしてインド太平洋地域におけるデリケートなバランスを脅かしかねない要因となりそうです。
こちらの案件にもなぜか関与していますので、また許される範囲でお話しできればと思います。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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