第594号
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岩上安身のIWJ特報!
背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し!
ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題!
岩上安身による
『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー
(その1)
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警察庁が発表した令和4年(2022年)の特殊詐欺認知・検挙状況等(暫定値)に
よると、昨年(2022年)の特殊詐欺認知件数は、1万7520件(前年比+3022件、+2
0.8%)、被害額は361億4000万円(同+79.4億円、+28.2%)と、いずれも前年
(2021年)より増加している。
1日あたりの被害額は、約9901万円で、これも前年より約2176万円も増加してい
る。1件あたりの被害額は、213.7万円で、こちらも前年より11.7万円、5.8%増え
ている。
この発表によると、特殊詐欺の認知件数は、平成29年(2017年)の1万8212件を
ピークに下がり続けていたが、令和2年(2020年)の1万3550件以降、再び増加し
ていることがわかる。
被害額のほうは、平成26年(2014年)の565億5000万円をピークに下がり続けて
いたが、上記のように、こちらも昨年(2022年)、増加に転じた。
特殊詐欺は、第2の蔓延期を迎え始めていると、言って間違いない。
これに対して、検挙件数は令和2年(2020年)の7424件、検挙人員も令和元年
(2019年)の2861人のピーク後、減少に向かっている。しかし、警察庁発表の統
計グラフを見ると、認知件数と検挙件数の増減の時期は、必ずしも一致していな
いことがわかる。
特に、令和2年(2020年)から令和3年(2021年)にかけては、認知件数が増え
たものの検挙件数が減少していたことがうかがえる。2022年は、検挙件数が6600
件から6629件へ、検挙人員が2374人から2469人へとわずかに増加したが、上述の
ように認知件数が20.8%、被害額が28.2%も増加したことを考慮すると、検挙率が
改善したとはいえない状況にある。
しかも2022年の検挙人員2469人のうち、中枢被疑者(主犯格の被疑者)は48人
(+5人)に過ぎない。枝の人間しか、逮捕できていないのである。これでは個々
の詐欺グループの中核にダメージを与え、壊滅させることはできず、トカゲの尻
尾を切っただけのグループは生き延びて、また犯罪を繰り返すことになる。しか
もそのたび、彼らは経験値を積んでいってしまう。
他方で、この検挙人員2469人のうち、準構成員を含む暴力団構成員の検挙人数
は380人(+57人、+17.6%)で、総検挙人員に占める割合は15.4%だった。このう
ち、中枢被疑者は16人(-1人、-5.9%)、リクルーターは66人(+4人、+6.5%)
となっており、警察庁は「依然として暴力団構成員等が主導的な立場で特殊詐欺
に深く関与している実態がうかがわれる」と分析している。
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