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映画『エクソシスト』はなぜ、あれほど恐ろしいのか……絶望と信仰を巡る<悪魔>の考察。

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
ここ最近、日記では統一地方選挙に関わるお話しや経済の話しばかりしてきましたから、少し肩の力を抜いて、今日は読者からの質問にお答えしたいと思います。以前、エクソシストの事をどこかで少しお話ししたところ、次の様な質問をいただきました。 『とても意外だったので質問です。なぜ、エクソシストが好きなのですか?(笑) 私は高校生の頃にディレクターズカット版の映画を映画館で見て、なんだか怖かった印象です。』 エクソシストは子供の頃からもう半世紀近く、何度も何度も観た映画です。あまりにも見過ぎてしまって(もう何十回観たか分からないくらい観ています)、台詞も殆ど暗記してしまうほどなのですが、それでも毎回、心のそこから恐怖を感じてしまいます。 「一番好きな映画は何ですか?」と聞かれると、「スティング」や「明日に向かって撃て」や「俺たちに明日は無い」や「2001年宇宙の旅」や「時計仕掛けのオレンジ」や「東京物語」や「荒野の7人」や「7人の侍」や「宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士達」、そして「オーメン」や「死霊のはらわた」や「ゴッドファーザー」、「ジョン・ウィック」や「キングスマン」、さらには「before sunrise」「before midnight」「before sunset」等、みんな大好きですが、それでもはやり「一番」は何かと言われればやはり、「エクソシスト」になります。 じゃあ、なんでそんなに「エクソシスト」が好きなのか……あまりこの点について考えた事が無かったのですが、今日は改めてその理由を考える事に挑戦してみたいと思います。 僕はホラー映画が大好きです。軽いマニア、という位にホラーが好きです。 おおよそ市場に出回っているホラー映画は、めぼしいモノは全て観てしまっています。ですので今でも、レンタルビデオ屋さんやNetflixやアマゾンプライムでは、常に何か新しいのが何か無いかを探し、見つければ観ています。 最近観たので面白勝ったのは、昨日観た「聖なる鹿殺し」で、一昨日に観た「Don't Breath 2」も(二回目でした)、なかなか良かったです。 で、なぜ、そんなにホラー映画が好きなのかというと、直接的に言うならやはり、子供の頃に観たエクソシストが怖くて怖くてしょうがない、という記憶が強烈にあるからです。あの恐怖体験の欠片だけでも、感じたい、と思うので、夜な夜なホラー映画を探し求めているのだと思います。 じゃぁ、なんでそんなにエクソシストが怖かったのか…… 「悪魔」が本当に存在するのだ、ということを、あのフィクションを通してありありと感ずるからなのだと思います。 これは大人になってから気が付いたのですが、邪悪な人々というのは、あの(当時の子役の)リンダ・ブレア扮する少女リーガンの、あの笑い方、表情、目つき、言葉使いをするのです……。 こう書いているだけで、体中に鳥肌が立つほどに、僕は、その人間の精神の内に存在する邪悪なモノ、に恐怖するのです。

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