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佐々木俊尚の未来地図レポート 2023.4.3 Vol.749
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【今週のコンテンツ】
特集
相手の話に「耳を傾ける力」について全力で語ろう
〜〜〜「話す力」には、四つのジャンルがある
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
相手の話に「耳を傾ける力」について全力で語ろう
〜〜〜「話す力」には、四つのジャンルがある
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昨年の書籍『読む力 最新スキル大全』の続編をつくろうと準備を進めています。いま構想しているのは、これからの「話す力」。そこで今回は、この「話す力」について論考していきましょう。
「話す力」には、四つの種類があります。まず二つの方向性があります。ひとつは、対話や議論など複数の人間と話す「双方向で話す力」。もうひとつは、講演やプレゼン、YouTube、Voicyなどひとりで話す「片方向で話す力」。
前者の「双方向で話す力」について、さらに三つに分類します。
(1) 双方向で話す力 その1:耳を傾ける力
(2) 双方向で話す力 その2:議論する力
(3) 双方向で話す力 その3:論破する力
この三つは、同じ「話す」であっても、まったく違うものです。
(1)は、あくまでも相手の話を聴くだけで議論や討論はしません。(2)の「議論する力」の目的は、ただ聴くだけでなく、議論の相手と建設的な合意を行うことです。(3)の「論破する力」は、議論とも違います。これは建設的な合意を探すのではなく、なにかのテーマについて賛否両論で戦うという討論で発揮される力です。
議論と論破は、そこそこレベルが高いスキルだと言えるでしょう。それに対して「耳を傾ける力」は、相手にひたすら寄り添って相手の話を引き出すことです。これが「話す力」の中でも最も難易度が低く、入門に最適です。だからここからスタートいたしましょう。
さて、「耳を傾ける力」が「話す力」に含まれていることに、「?」と思う人もいるでしょう。他人の話に耳を傾けているだけなのなら、話す必要はないだろうと。しかし、そうではありません。相手の話をうまく引き出し、「よく聴く」「よく耳を傾ける」ためには、「質問する力」「相づちを打つ力」がとても重要なのです。つまり「耳を傾ける」であっても、コミュニケーションは双方向であるということなのです。
ちなみに「聴く」と「聞く」は同じ「きく」ですが、意味には微妙な違いがあります。「聞く」は音や声などを自然に耳に入ってくることで、「聴く」は注意を払って話や音楽などを理解しようとすること。
★高校生に伝えた、これからのリーダーに「聴く力」が必須な理由
https://note.com/hoshinomaki/n/n562d6004309b
篠田真貴子さんのこの記事に、「耳を傾ける」とはどういうことかがわかりやすく説明されています。
「聴くとはどういうことか。それは、相手の話していることに心からの関心、好奇心を寄せることです。そして、その関心の寄せ方には2種類あるんです。それは判断をしながらwith judgement で聞くか、判断を一旦留保して聴く、without judgement で聴くか」
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