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『日本の禍機』 ~桂・ハリソン協定の破棄こそが、日米開戦の「禍の契機」となった~

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
今の日本は、アメリカの属国であり、植民地だ、というのは、いつもいろんなところでお話ししている通りですが、なぜそうなったのかといえば、日本とアメリカが戦争をして敗れたからです。  したがって、あの戦いに勝てれば、こんな情けない属国状況にはならなかったのであって、最大の問題はなぜ負けたのか……という所に原因があるのですが、当時日米間には凄まじい国力の格差があったのであり、あの時点で開戦すれば十中八九敗れることは確定していた、ということができます。 だとすると、日本が今、アメリカの奴隷国家状況にあるということの直接的原因は、日本がアメリカと戦争を始めてしまったという点にある……という事になります。 事実、こうした歴史観を展開した有名な歴史学者が、戦前にはおられました。 朝河貫一博士、という歴史学者です。 彼は、「日本の禍機」という彼の主著の一つで、まさに日米開戦こそが、日本に禍をもたらしたのだという事を論じます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%B2%B3%E8%B2%AB%E4%B8%80 この「禍機」という言葉は、災いの機会、の意味(好機の逆の意)。 その書は日本が戦争で大敗を喫し、それを通して滅びる……そんな災いが生ずるきっかけとは何かを歴史学者として、(1941~1945の)第二次大戦の遙か以前の1909年に書いたもので、当時の日本に警鐘をならすものでした。

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