「データの所有」という文化は、もはや不可逆?NFTの未来について語ってみた
2023/04/06
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こんにちは!
今日は、きせかえできるNFT「sloth」のディレクターをやっている、アル社のワープくんと、NFTの未来について話したTwitterスペースの書き起こし記事をお届けします。
NFTって最近よく見聞きするけど、実際どういう感じなの?という人向けに、専門用語なども少なめに、ゆるい雰囲気でトークしているので、ぜひ読んでみてください。
slothの詳細についてはこちら。
みんながNFTを所有していたら、欲しくなる?
けんすう:というわけで、NFTの未来ですよね。NFTがどうなっていくかっていう話をしていきたいなと思いますが、ワープくんはどう見ていますか?
ワープくん:よく今言われてるのが、「Web3のマスアダプションをするには」みたいな話がありますけど、NFTのおもしろさがどう受け止められるか次第で、未来がすごく変わりそうだなと思っています。
けんすう:なんか今、AIがすごいじゃないですか。ChatGPTとか、画像生成系のAIとかすごいですけど、あれを見ていると、誰にとっても分かりやすいというか、そうだよねっていうすごさがあるじゃないですか。
ワープくん:ありますね。
けんすう:対してNFTって、いまいちよく分からないという性質があると思うんですよ。
最近、なぜ人はものを欲しがるのかとか、それ系の本をたくさん読んでるんですけど、AIって課題に対しての解決策として機能するので、分かりやすいじゃないですか。
一方NFTはどちらかというと、所有の欲望とは何かというような、ちょっと抽象度が高い部分を満たすようなものだと僕は捉えていて、これが浸透するには、結構時間がかかるだろうと思っています。
ピーター・ティールさんが学んでいた大学の教授が、欲望について研究しているという本を読んだことがあるんですが、持つことの欲望って、基本的に「人との比較を通じて模倣する」というものなんですよね。
例えば恋人がいて、別れた後にその恋人がすごくモテていると、よりを戻したくなるとか。また、ある人が車を持っているとかっこいいと思ったり、同僚の給料が上がると、うらやましくなったりするということです。
ここが非常に大きくて、人間は基本的に、生存に対する欲求以外は、案外、人の真似に過ぎないんじゃないかという話が書いてありました。これは多分、NFTにもかなり直結してくる話だと思います。
おそらくメタバース空間で素敵なアイテムを持っている人がいたら、それを欲しくなるし、それが1万円すると言われると、それを買えるお金を持っているというアピールになり、自分も欲しくなるという感じになるんじゃないでしょうか。
そう考えると、NFTを持っている人が増えれば増えるほど。欲しがる人が増えるし、持っている人が少ないと、増えていかないという状態だと思っています。
ワープくん:あの人が持っているから、羨ましいという感じですね。
のぶめいさんの本(『Web3.0の教科書』)では「flex」というスラングについて書かれていましたが、そういうのもあると思います。
けんすう:そうですね。知らない方も多いと思うので説明すると、ちょっと見栄を張って見せることがflexで、ブランド物などで使われることが多いらしいんです。
NFTはチケットにも使えると言われがちですが、個人的には、その辺の課題解決にはあまり向かないんじゃないかという気もしています。チケットは自慢するものでもないし、実用的にするとしたら、ウェブでQRコードが出る方がはるかに楽だと思います。
それで、確かに我々は衣装を着るという形で、slothというプロジェクトをやっていますが、これはある意味直球です。
slothはナマケモノをテーマにした、きせかえできるNFT。本体、衣装、アイテムの3種類があり、自由に着せ替えて自己表現ができます。
けんすう:slothというNFTを持っていること自体はあまり表現として意味がなくて、持っている衣装を着せ替えて、それを自慢したり、今日ちょっとかっこよく決めたよとか、スニーカーが限定コラボモデルだよみたいな感じに表現できるのが一番、NFTの本質なのではないかと思っています。
NFTの本命は、メタバース内のアイテム
ワープくん:確かに実際、slothを最初に考えたときの課題というか、自分が感じたことって、NFTを見せびらかす方法が、Twitterのアイコンぐらいしかなくて、もったいないということでした。
そういう意味では、slothに着せるという形で見せびらかし先を増やせるというのは、一つ考えていたことです。
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