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2023年4月7日号(Vol.257)- Win-Winの叶え方(5)&欧米諸国の中国詣でが意味するもの

最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
第257号(2023年4月7日号) 『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』 はじめに: いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。 新年度・新学年を皆さんはどう迎えられたでしょうか? さて、今週号の内容ですが、まず【1】の 『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、 今週も【Win-Winを真に叶える方法】についてお話しします。 先週号では、【目の前の状況をReframeする(Reframe your picture)】についてお話しいたしました。 その際、Win-Winを阻む心理的な要素として 【Mindset of scarcity】を挙げました。 Win-Winではお互いの望んでいること、ニーズ、恐れなどを把握しあうことで、 交渉で分け合うパイを大きくできると言われているにもかかわらず、 選択肢もアイデアも限りあるものと思い込んでしまうがゆえに、 頭ではWin-Winと言いつつも、いかに自分の取り分を最大化するのかに集中してしまい、 それが言動不一致につながって不利益を被る話をしました。 今週号では【Stay in the zone (千載一遇のチャンスに焦点を当てる】についてお話しします。 その注目の内容は、本編をお楽しみに♪ 次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も盛りだくさんな一週間でした。 一つ目は【欧米分断の兆候?!‐欧州首脳の中国詣で】です。 今週に入って、欧州首脳の中国訪問が続いています。 フランスのマクロン大統領、EUのフォンデアライデン委員長がほぼ同時期に北京入りし、 習近平国家主席ほか、李強首相などと相次いで会談・協議を行います。 習近平国家主席のモスクワ訪問を受け、欧州各国の中国への対応に温度差が見られますが、 これは欧州の分断の現れなのでしょうか?それともうまく調整された外交的な動きなのでしょうか? 【2‐国際情勢の裏側】のコーナーでお話しします。 二つ目は【フィンランドのNATO加盟】です。 NATO加盟国であるトルコ国会での承認を受け、4月4日にフィンランドが正式にNATOに加盟しました。 これでNATO加盟国数は31か国になります。 1917年のロシア革命前まではフィンランドはロシア帝国の一部として位置し、 その後、独立した後も2度にわたってロシア・ソ連に蹂躙された過去を持ちます。 ロシアからの不必要な攻撃を受けないために、これまで非同盟の立場を保ちつつ、 非常にレベルの高い軍備を装備してきましたが、現在進行形のロシアによるウクライナ侵攻を受け、 安全保障政策の方針を急転換し、NATOに加盟しました。 これがすぐに米軍がフィンランドの基地に配備されることにはならないと思われますが、 フィンランドはNATO憲章5条の対象国となり、ロシアによる侵攻をまた受けるようなことがあれば、 欧米vs.ロシアの大戦争の最前線に立つことになります。 ロシアにとってもNATOの先端が目と鼻の先になるという事態ですが、今後、ウクライナやモルドバ、 ジョージアなどで起こっている不安定化要因と合わせ、どのような意味合いを持つのか注目です。 三つ目は【停戦?徹底抗戦?揺れるウクライナ】です。 ゼレンスキー大統領は基本的に徹底抗戦の構えを崩していません。 4月5日には隣国ポーランドを訪問し、ドゥダ大統領やモラヴィエツキ首相などと会談し、 ポーランドからの戦闘機および戦車の供給に謝意を示しつつ、 ロシアの脅威を共通の脅威として捉えて共同で対応することに合意しました。 その半面、習近平国家主席には秋波を送り、中国が提示する和平協議案・仲介案を検討し、 習近平国家主席にキーウ訪問を要請するという動きも出しています。 また大統領府副長官(外交担当)があくまでも可能性という形ですが、 『クリミア半島での情勢がウクライナにとって有利な条件になった場合には、ロシアとの交渉の扉が開くかもしれない』 と交渉・調停による解決への道を示唆しました。 ただ、ゼレンスキー大統領や副長官が示す条件は、 ロシアサイドとしては受け入れ不可であることがすでに明らかになっていますので、 あくまでも国際社会への観測気球なのかなとも考えます。 今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。 それでは今週号、スタートします★

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  • 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
  • 世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。
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