またまた朝の情報番組で公務員住宅の立地のよさと家賃の安さが批判されていた。
私自身、弟が公務員だったから知っているが、今はマンションを買った弟が、公務員住宅に入っていたが、確かに立地はよかった。原宿と三番町か四番町だった。
原宿の宿舎は、かなり古かった。
風呂などを見ると、私なら入る気がしないレベルのものだった。
マスコミの批判のために建て替えもできないというような話だった。
番町のほうも、見た目はかなり綺麗だったが、やはり内装はかなりひどい。おそらくマンションを買ったのは、家族が耐えられないという話になったからだろう。
この番組で、我らの玉川徹氏は二言目には「民間は~~」という。民間企業ならそんなに優遇されないということだろう。
玉川徹氏も番組のコメンテーターの人たちもお育ちがよくて社宅住まいというものをしたことがないのだろう。
実は、私は社宅族だった。
私が子供の頃からもうすでに落ち目で、今はつぶれてしまった会社の社宅だが、社員の給料は安かったが、福利厚生はよかった。社宅にプールもテニスコートもあった。
内装もきれいで、公務員住宅が可哀想になるようなものだった。
玉川氏の解説では、バブルがはじけて苦しくなった会社の多くが社宅を処分したという。結果的に公務員は社宅が残り、民間の社員は社宅がなくなったということだ。
これは民間にとって、実質的な賃下げといえる。
会社が危機的状況なら労働者がそれをがまんして、会社を救うというのはわかるし、美談とはいえる。
しかし、日本の経営者たちは汚い。そういう危機を乗り越え、空前の内部留保を抱えながら、社宅を買いなおしたという話は聞かない。実質賃金を下げたら、そのあとは知らんぷりだ。会社のためにがまんした社員たちは気の毒だ。
知り合いのエコノミストに聞くと、給与で競争するとできのいい社員がより高給の会社に引き抜かれるから、のちのちその会社が落ち目になるという。福利厚生がいいほうが会社への忠誠心が高まるということだが、これは納得できる。
ついでにいうと、社員のほうも給料でもらうより、多少給料が減っても安い家賃で社宅に住めるほうが税金も安くなる。
しかし、世襲化が進んだ日本のアホ経営者たちにはそれがわからない。
ついでにいうと、90年代の後半に、不良債権の処理と名うって、企業が大胆なリストラをやるが、このときに、働きのわりに給料が高いということで真っ先に切ったのは、中高年の社員たちだった。
しかし、働きのわりに給料が高いというのは理由がある。若いころにサービス残業をみっちりやって、上司から「歳をとったら楽をさせてやるから」といわれて一生懸命会社に尽くしてきたからだ。要するに、中高年になったら給料を後払いするような形で、会社に金を貸してきたのを返してもらっているだけだ。それなのに、会社は約束を守らず、平気でクビを切った。
多くの社員が会社を信じなくなった。
平気で会社を裏切るようになるのも、条件がいい会社に移るのは当然だ。
外資に移る人も増えたが、これからはどんどん中国系の会社に人材が取られるかもしれない。アメリカ系の外資より、いらなくなったら簡単にクビをきることが少ないという話ならそれも十分あり得る。このようないい加減な会社をアベは低金利政策や円安政策で甘やかしたが、日本企業の人を大事にしない経営が、人材の中国への流出を促すし、人々が安心して金を使えないから、30年以上の不況を招いたと思えてならない。
話は戻るが、公務員が厚遇を受けているからと言って足を引っ張っていても民間の待遇は悪くなることはあってもよくなることはない。公務員が高級社宅を使っているなら、民間も同じ待遇を要求しない限り、ずっと貧乏は続く。
日本の労組は何をやっているのだろうか?
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