■観察する力
世の中には「成功者」と言われる人たちがたくさんいる。だが、彼
らは最初から成功者だったわけではない。一段一段、ステップを上
っていった結果、今いる場所にたどり着いたのだ。
成功している人、飛び抜けた結果を出す人を語る時「才能」という
言葉が使われがちだ。もちろん、人によって向き不向きがあるし、
ある能力についてプラスの数値が圧倒的に高い人もいる
だが、才能を分解していくと、多くの場合、誰でもトレース、つま
りマネをすることができることがわかる。特にビジネスの行動は、
単純でマネがしやすいものだ。
そうして、成功者と同じことができるようになった先にあるのがオ
リジナリティだ。成功者を通じて学んだことに自分のオリジナリテ
ィを加えればビジネスの領域を拡大していくことができるのだ。
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結果を出すために、独立、起業、あるいは会社員のままで仕事のや
り方を変える時、具体的な行動は真似から入る。成功者と呼ばれる
人や会社の先輩・上司がやっていることを同じようにやってみる。
だが、誰かれ構わず真似をしても、非効率的なだけだ。だから、ど
んな人を真似すればいいのか、成功確率が高くなるのかを観察によ
って選ぶべきだ。
その上で、成功者の仕事や、会社、ビジネスモデル、市場などを分
析する。成功者の仕事やビジネスがどんな要素で成り立っているの
か再現するのポイントを見つけていくのだ。
「真似」をして結果が出せるようになったら、自分の強みを加えて
「拡大」する。そのためは、成功者のそばいなければならないし、
協力関係を築く必要もある。だから人脈が必要だ。
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自分の価値観で進む道を決めるべきだ。そのために必要な才能は、
観察、分析、真似、拡大、つながるの「5つの力」を身につけるこ
とで手に入る。
はじめに「観察」だ。「分析」「真似」の対象者として、誰を選ぶ
べきかを見極める過程だ。また、観察を通して対象者の考え方や行
動を知る。これがその先のフェーズに進んだときの土台になる。
別の視点でも、観察は大事だ。社長や上司が何を考えているのか知
らなければ、組織内で自分のポジションを築くことはできない。協
力関係を築く仲間探しや、人を雇う時にも観察は必要だ。
つまり、ビジネスを通して出会う人すべてに観察は必要なのだ。観
察は、今現在のためにも、将来のためにも、普遍的に通用するスキ
ルなのだ。ぜひ手に入るべきだ。
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対象者の基準をざっくり言うと「仕事で成果を出している人」「標
準的な人」「人間的に嫌だと感じない人」だ。これらの基準に対し
て、細かく条件を説明していく。
その条件には客観と主観が含まれる。「仕事で成果を出す人」「標
準的である人」の部分では客観的に評価する。自分の好き、嫌いが
入ると冷静に判断できない。
その上で自分が相手をどう感じるかだ。そこでは客観性を捨てて考
える。いなきり主観で判断すると感情が入って冷静な評価ができな
いし、客観だけでは、自分に落とし込めない。順番が大事なのだ。
他人の評価は線引きが曖昧だ。いろいろな要素が複雑に絡んで、そ
の人の印象を全体的に判断している。それを解きほぐしていくとこ
ろから始めるべきだ。印象を分解していくのだ。
対象者選びの条件として、具体的には、その人の外見や言動を見て
いくべきだ。そして、それらを評価するには、こちら側にある程度
の知識が必要だ。
勉強する必要はないが、最低限の知識は必要だ。社会人として最低
限の常識は身につけておくとか、雑誌などでファッションを押さえ
ておくなどで、周囲からの自分に対する評価も変わるはずだ。
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