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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』第511号2023.3.21配信

クルマの心
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□          伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』            第511号2023.3.14配信分 ●日本史における事実。自動車の歴史は、実は古くて新しい  テクノロジー(技術の進歩)とともに生きてきた。長くクルマの 情報発進に関わってきたこともあるが、その進歩の過程を取材とい う形を通じて間近に接することで知り得たことが、このメルマガに つながっている。正直言って、何をどのように伝えれば良いのか、 悩み続けたこの10年という思いが募る。  ここ何年かは取材の現場から離れることが多くなって、切り口を 見出せなくなった感が強い。定期刊行物であることは承知している のだが、考えがまとまらない日々が続いてきた。読者の皆さんには 迷惑をお掛けしたという済まない思いで一杯だが、いつも言うよう に『生きているかぎり、諦めるつもりはない』の精神は健在だ。  焦点が絞れず悶々とする時間を重ねてきたが、考えてみれば悩む のは当然かもしれない。21世紀も早四半世紀に迫ろうとしている今、 世界が大きく変化する予感がある。19世紀から20世紀への様変わり を振り返れば、気に病むこともなさそうだ。1800年代の半ば過ぎま で日本人は丁髷(チョンマゲ)を結っていた。  徳川幕藩体制の国家政策『鎖国』によって国を閉ざした260年の 歴史からすれば、開国からまだわずか155年。技術の進歩が西欧や 新興の米国の来航を容易にし、西洋文化を丸呑みしてここまで来た ことを胸に刻む必要がある。  明治維新を契機とする日本国の世界史への参入は、そのまま東洋 と西洋の衝突につながり、鎖国時代には無縁だった対外戦に明け暮 れた。維新から現在までのほぼ半分は戦禍に塗れ、日清/日露から 日中戦争を挟む形で第一次/二次世界大戦を経験して敗戦/灰塵の 憂き目を見た。  日本の自動車の歴史は、事実上それ以後の話になる。どこを糸口 にしてもいいのだが、日本がサンフランシスコ講和条約に調印して 独立を回復して(1952年公布)71年になる。その3年後がトヨタの 初代クラウン(RS型)のデビュー年であり、この辺りから話を始 めるのが筋だろう。講和後再独立と私の年齢が重なる。単に偶然で あるにせよ、自分に重ね合わせて語れることに奇妙な因縁を感じる。  いま正に、1886年の自動車発明以来の転機を迎えようとしている 実感がある。1955年を境目にすると、現在は自動車の歴史のほぼ中 間点になる。私としては、このままガソリンを始めとする原油由来 の燃料で走る内燃機関のクルマで行く方が理に適っていると思う。 71歳という年齢とも無縁ではないと思うのだが、世界のトレンドは 電気自動車(EV)に傾いている観がある。

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  • 価値観が大きく変化しようとしている今、なすべきことは何か? このまぐまぐ!のメルマガ『クルマの心(しん)』を始めて多くのことに気づかされました。ずっとフリーランスでやって来て40年、還暦を迎えたこの段階でまだまだ学ぶことが多いですね。どうしたら自動車の明るい未来を築けるのだろうか? 悩みは尽きません。新たなCar Critic:自動車評論家のスタイルを模索しようと思っています。よろしくお付き合い下さい。
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