「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」
vol.47「一流に学ぶ、成功の哲学〜香川真司は、「〇〇の天才」〜」
【今週の目次】
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1. 成美のつぶやき
└今、イチバンおすすめする映画
2. 一流に学ぶ、成功の哲学〜香川真司は、「〇〇の天才」〜
└12年半ぶりに日本に帰ってきた香川真司選手
└香川真司選手が見せる理想の選手像
└香川真司は、「〇〇の天才」
└孫の夢のための引っ越し
└メンタルの弱い無名選手がプロの世界へ
└プレーが変わったある助言とは?
└海外へ移籍したサッカー選手としての誇り
3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ
4. お知らせ
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1. 成美のつぶやき
今、イチバンおすすめする映画
皆さんは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称「エブエブ」)をもうご覧になったでしょうか。
この作品は、2023年3月12日に行われた第95回アカデミー賞の授賞式で最多の7部門を含む受賞を果たしました。
“Everything Everywhere All At Once”(何もかもが、いたるところで、いっぺんに)というタイトル通り、はあらゆるテーマと出来事が詰め込まれているこの作品は、11部門でノミネートされ、アジア人女性初の主演女優賞をはじめ、作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞の計7部門でオスカーを獲得したのです。
いやー、面白かった。でも、単純な映画ではありません。あまりにたくさんの要素が詰まっていて、一度見ただけでは消化しきれない人もいるかもしれません。(実際、私も二度見ました。)
この作品を一言で言い表すことはとても難しいのですが、一行で言うなら「カンフーアクション+SF +ダイバーシティー」です。この3つのキーワードを合せた映画も、史上初でしょう。
監督を務めたのは、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの2人です。たまたま同じファーストネームだったことから“ダニエルズ”と名乗りコンビで映画を撮っています。この2人がアカデミーに新たな歴史をつくりました。
アクションアドベンチャーである「エブエブ」の最大の栄誉は、ハリウッドでは前例のないダイバーシティを実現させたこと。主演女優賞、助演男優賞でアジア人がオスカーを獲得したことです。
主演のミシェル・ヨーがアジア人俳優としては初めてアカデミー主演女優賞に輝きました。ミシェル・ヨーは、香港でデビューした中国系マレーシア人。結婚を機に香港映画界を引退しましたが、復帰後はハリウッドでも活躍しています。彼女は、喜びのスピーチで、映画の製作スタッフやキャストに感謝を述べ、夢を追い続ける素晴らしさを語りました。「この授賞式を観ている私のような小さな子どもたちにとって、これは希望と可能性の証です。夢は実現するということの証。女性の皆さん、誰にも『あなたはもう旬を過ぎた』なんて言わせないでください。決して諦めないでください」と語りかけたのです。
さらに、もう一つサプライズがありました。アカデミーの壇上で涙を流しながらオルカー像を握りしめたキー・ホイ・クァンの助演男優賞の受賞です。キー・ホイ・クァンはベトナム出身のアメリカ人で、アジア系俳優としては38年ぶりの史上2人目のアカデミー俳優となりました。
皆さんも彼のことを覚えているでしょう。1980年代に子役として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)のショート・ラウンド役や『グーニーズ』(1985年)のデータ役を演じ、人気を博します。けれど、その後は鳴かず飛ばずで、表舞台から姿を消していました。再起を諦めず演じ続けた彼に、再び奇跡のスポットライトが当たったのです。
受賞のスピーチで、自身が過ごした難民キャンプや、母親や兄弟、妻の支えについて語ったキー・ホイ・クァン。彼の受賞は、ミシェル・ヨー同様、多くのアジア人の希望となり、励みとなったのです。
今回の2人の受賞が、ハリウッドがあらゆる人種に受賞の機会を与える場となったことの証明であることを信じつつ、同じアジア人として、2人の受賞を喜びたいと思います。
ストーリーは、敢えて記しませんね。興味がある方は、ぜひご覧ください。
ABOUT THE MOVIE|映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト
本年度アカデミー賞受賞 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 『This Is A Life』Music Clip
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