日本の消費者物価指数が物価目標の2%を上まわるようになりま
した。これは、「エネルギーを始めとする資源コモディティー価格
のグローバル規模での値上がり」といった「海外要因」が大きく影
響しています。決して日本国内需要が旺盛だから、物価が上昇し
ているわけではありません。
黒田前日銀総裁もこのことは熟知していて、「このままでは今年2
023年半ばには再び物価は腰折れするリスクがある」として、
「従来通りの異次元緩和を力強く継続する必要がある」と念を押
して、退任してゆきました。
とは言え、ここに来て、永らくデフレに苦しんでいたこの日本経
済でも、ようやく「物価上昇と賃金上昇の好循環」が始まりかけて
いる「明るい兆し」が現れています!♪
企業側は大幅な利上げが可能となり、そのことこそが「大幅な賃
上げ」を可能にしています。今年の春闘は大企業、中小企業を問わ
ず、大幅な賃上げが可能になっています!♪
今の日本経済は、「物価上昇―賃金上昇の好循環」の定着に向けて
まさしく「正念場」にさしかかっているのです。
「始まりかけている好循環」を「しっかりと定着させる」ために
は、言い換えると、「今年の春闘だけではなく、来年の春闘以降で
も2%以上の賃上げが実現できるようにする」ことが重要です。
この正念場の日本経済で植田日銀新総裁に求められているのは、
「黒田前日銀総裁の異次元緩和を少なくとも向こう1年間くらい
は継続すること」なのです。
それなのに、日本金融村では植田日銀総裁に向けて性急なまでに
「YCC(イールドカーブコントロール)の修正」、言い換えると「事
実上の金融引き締め」を求める声が大変強いです。大合唱です。
しかしながら、「拙速な事実上の金融引き締め」は「好循環の定着
に向けて正念場にさしかかっている日本経済」を再び失速させる
危険性があります。
そして、植田新日銀総裁には、国民に生活や雇用よりも大手金融
機関の経営を優先させる古いタイプの日銀マンの血が脈々と流れ
ています。
植田新総裁は、黒田日銀誕生「前」のかつての日銀にように、遅か
れ早かれ国民生活や日本経済全体の行方をいくばくか犠牲にして
でも、大手金融機関の経営(=金融システムの安定)のほうを優先
して「拙速な事実上の金融引き締め」へと動きて来ることでしょ
う。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)