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<Vol.1329号:正刊:植田日銀への提案:
国債の売買市場の混乱から抜け出せ>
2023年4月12日:円レートとインフレ及び金利の関係
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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数回、米国の債券価格下落、デリバティブ下落、金利上昇、預金取り
付け、銀行危機の波及を書いてきました。
・本稿では、2023年のインフレから、新総裁の植田日銀が、利上げと
QT(量的縮小)に傾斜したときの見通しを描きます。
日銀の現在の金利目標、「短期0~0.1%、10年債0.5%上限」、を引
き下げる金融緩和は、2023年は考えることはできない。方向は、利上
げと引き締め。
【日銀は利上げのなか、逆にステルスの超量的緩和を行っている】
ところが「宣言しない、なし崩し」が持ち技である日銀は、2023年の
年初から、利上げとは逆の、国債の大量買いを行っています。
↓
これは、黒田日銀が、意図しなかったものです。
・国債の利上げを求める市場の国債売りに、日銀が押された国債買い。
・日銀の国債市場コントロール力が弱体化しています。
これが、まだ一般には知られていません。
日銀の、インフレの中での大量な国債買い(=異例な金融緩和)の原
因は、国債市場の売り圧力、つまり金利上昇への圧力が強くなってい
ることです。日銀の「金融コントロール力の崩壊の始まり」に思えま
す。
【歴史的な2つの事例】
1)ポンド売りに対抗ができなかった英国中央銀行(ポンド崩壊:
1992年)、
2)アジア通貨危機(1997年)ときの、市場への中央銀行の敗戦。
【日銀の国債買いの、異常な増加:混乱した国債市場】
1)22年12月20日 :総資産698兆円(うち国債557兆円)
2)23年 3月 31日:総資産734兆円(うち国債581兆円)
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