米国の引き締め、インフレより債券に負担
FRB(連邦準備制度理事会)の急激な引き締めは、突然中堅地方銀行の相次ぐ破綻で金融不安をもたらしたことから、いよいよ効いてきたとの印象を与えました。しかし、一方で実物経済は依然として堅調で、今回の急激な引き締めは、実物経済よりも債券市場に先行して影響が出ています。そのからくりを解いてみましょう。
「来そうで来ない景気後退」
1979年10月の「ボルカー・ショック」以来という急激な金融引き締めを行っている米国の中央銀行FRB。それだけに、いくつかの指標は米国の景気後退突入不可避を示唆し、市場もこれを織り込むようになっています。
例えば、コンファレンスボードの景気先行指数は昨年4月から11か月連続で低下していて、間もなく米国は景気後退に突入する可能性を示唆しています。またニューヨーク連銀の「景気後退確率」は、この数字が30%を超えると景気後退に入る可能性が大きくなりますが、今年11月に30%を超え、24年1月で57.17%、2月で54.49%と、82年の世界不況時以来の高い数字になっています。
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