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第211号 G7サミット、日本は議長国の資格なし/北海道と九州のコラボ風味/むつ五郎/BBAフェノメノン発動!

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  • 2023/04/19
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「G7サミット、日本は議長国の資格なし」 5月19日から3日間の予定で開催される「G7広島サミット」をメインディッシュとすれば、そのオードブルに当たるのが札幌で開催された「G7環境相会合」(4月15日~16日)、スープに当たるのが軽井沢で開催された「G7外相会合」(4月16日~18日)でした。毎度のことながら「G7外相会合」もツッコミどころが満載でしたが、昨日の今日で原稿が間に合わないので、今回はオードブルの「G7環境相会合」を取り上げたいと思います。 今回、札幌で開催された「G7環境相会合」ですが、議長国である日本からは、西村康稔経産相と西村明宏環境相という「ダブル西村」が出席しました。そして、G7で唯一の「化石燃料依存国」として、他国の前向きな「石炭火力発電の廃止」に関する提案に反対しました。そして、欧米各国の「廃止時期を明記すべき」との主張を跳ねのけて、期限を明記しない「段階的廃止」という曖昧で無責任な文言を採択させたのです。 しかし、これは今に始まった話ではありません。昨年5月、ドイツで開催された「G7環境相会合」でも、議長国であるドイツが「2030年までの段階的廃止」を提案し、欧米各国が賛成したのにも関わらず、日本から出席した「統一教会の飼犬」こと萩生田光一経産相が猛反発したことで、期限の明記は見送られたのです。 また、今回の会合では、自動車部門の脱炭素化について、欧米の国々が「完全EV化の目標を定めるべき」と主張しました。しかし、この前向きな提案も、EV開発に出遅れている日本の反対によって合意されませんでした。他の6カ国が温暖化対策に前向きなのに、議長国である日本がその足を引っ張る。本当に恥ずかしいことです。 「完全EV化」を目指す他の国々に対して、「ハイブリッド車」を良しとする日本。「石炭火力発電の廃止」を目指す他の国々に対して、「石炭火力発電のアンモニア混焼によるCO2排出量の低減」を良しとする日本。白黒をハッキリつけたがる欧米人と、白でも黒でもない「曖昧なグレー」でお茶を濁したがる日本人との文化の差でしょうか?‥‥なんてノンキなことは言っていられません。 期限を決めない「段階的廃止」という文言は、自転車のヘルメット着用の「努力義務」と同じく、何の意味もない「絵に描いた餅」であり、単に「やってます感」をアピールするためのゴマカシだからです。そもそも「努力義務」とは、一票の格差問題で無責任な裁判長が繰り返す「違憲状態」と同じく、日本語を根底から覆す「デタラメで矛盾した造語」なのです。 自転車のヘルメット着用が「義務」だと言うなら違反者を罰するべきだし、一票の格差が「違憲」だと言うなら選挙をやり直すべきなのです。こうした曖昧なグレーな造語でお茶を濁すな!‥‥と、あたしは言いたいです。 ま、それはそれとして、完全に崖っぷちに立たされていて、今すぐに全廃しても間に合うかどうか分からないのが「石炭火力発電」なのに、議長国である日本が「アンモニア混焼によるCO2排出量の低減」などと「ぬるま湯」のようなファンタジーに終始しているのですからお話になりません。 ちなみに日本は、地球温暖化対策に後ろ向きな国、他国の対策の足を引っ張る国に与えられる不名誉な「化石賞」を2019年から2022年まで3連続で受賞していますが、その選定理由の1つが「アンモニア利用によって火力発電の延命を図ろうとしており、しかも海外へ輸出しようとしている」というものなのです。 そして、これだけでも呆れ返るのに、さらに開いた口が塞がらないのが、日本の原発依存度です。世界最悪レベルの原発事故を起こし、12年経った今も収束の目途も立っていないのに、いつの間にか「段階的廃止」だった計画が「原発の有効利用」の名のもとに「再稼働と新設」へと方向転換されてしまったのです。それも、国会の審議を経ずに、自民党政権の伝統芸の「閣議決定」だけで。 今回の会合でも、日本は恥も外聞も原発事故の反省もなく、「原発はエネルギー安保に重要」と主張しました。しかし、福島第1原発事故を受けて、会合当日の15日に「脱原発」を完了したドイツを始め、「脱原発」を進めているイタリアなどが強く反対したため、共同声明では主語を「私たち」でなく「原発を利用する国」に変更されました。 また、福島第1原発に溜まり続ける大量の処理水の海洋放出についても、日本はIAEA(国際原子力機関)による安全性の検証を「歓迎する」という文言を盛り込もうとしました。しかし、これもドイツなどが強く反対したため、共同声明では「支持する」という文言に変更されました。 皆さん、これ、どう思います?ドイツは福島第1原発事故を受けて「脱原発」を完了したと言うのに、その事故を起こした国の政権が「原発推進」だなんて‥‥。世界の多くの国々が、唯一の戦争被爆国である日本の広島と長崎の悲劇を見て「核兵器禁止条約」に参加しているのに、肝心の日本は不参加、これと同じで、本当に恥ずかしいことです。 それなのに今回、さらに恥の上塗りをしてしまったのが、西村康稔経産相だったのです。西村経産相は会合後の会見で、採択された共同声明の内容について、「処理水の海洋放出を含む廃炉の着実な進展、科学的根拠に基づくわが国の透明性のある取り組みが歓迎された」と説明したのです。

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