拾われし者|No.150|原田寛|芦原英幸と直弟子たち
バックナンバー一覧 http: //www.mag2.com/archives/0001677702/
メールマガジン『拾われし者』 No.150
奇跡(後編)
どうしても諦めきれない気持ちを抑え切れずに、会計士事務所からご紹介先の建設会社へ強硬な訪問を終え、約1週間位が経過していた。
この案件を逃してしまうと、自分自身の家族の生活が成り立たないし、何よりも会社からお借りしている大事な借金をお返しする事も叶わない。
夏の猛暑、蝉の声と大きな白い雲だけが、はっきりと脳裏に焼き付いている。
甲子園のTV放映、応援の声が室内に響いていた。
そんな時、建設会社担当の税理士より連絡が入った。
「原田さん、急で申し訳ないのですが、いまから至急、例の建設会社に行ってもらえないでしょうか?
会長と社長がお持ちです。
それと、今から生年月日と性別を言うから、各々年払い100万円の予算で設計書を打ってもらいたいの。
準備が出来たら、それを持って行って会長さんに渡してくれますか?」
急展開な内容だった。
急ぎ指示のあった通りの設計書を打ち、車を走らせ建設会社へと向かった。
今回の訪問は、受付で足止めを食う事もなくすんなりと会長室へと通された。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)