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第742回 「LEAP/2020」が予測する基軸通貨転換のステップ、プレヤーレンが伝える死後の状態
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▼今回の記事
今回は、フランスの著名なシンクタンク、「LEAP/2020」が出したドル放棄の段階と流れを詳しく紹介する。次に、プレヤーレンが語る死後の状態について紹介する。極めて興味深い内容だ。
▼「LEAP/2020」が明らかにするドル覇権放棄の段階
それでは早速今回のメインテーマを書く。フランスの著名なシンクタンク、「LEAP/2020」が最新レポートで示した基軸通貨としてのドル覇権放棄の現実的な段階である。
国際決済通貨の多極化が急速に進行している。その背景の一つになっているのが、ロシアのウクライナ進攻である。周知のようにウクライナ進攻以後ロシアは、「SWIFT」などを中心とする欧米主導の国際決済システムから排除されたが、ロシアは中国やインド、そしてブラジル、トルコ、さらにサウジアラビアなどのBRICS+、またアフリカや南米を中心としたグローバルサウスの国々は制裁には一切加担せず、むしろエネルギーや原材料、そして食料を中心にして、ロシアとの経済関係を強化させている。反米のイランとの関係も強化している。
この結果、ロシアとこうした国々の間で使われる決済通貨は急速に多様化している。人民元やルーブル、さらに、ルピーなどの使用頻度もかなり高くなっている。ドルの国際決済通貨としての地位は明らかに弱まっている。
こうした脱ドル化の動きをさらに加速させているのが、アメリカの金融危機不安だ。前回の記事でも詳しく解説したように、商業不動産価格の下落から銀行の破綻が連鎖する可能性はまだ残っている。これが発生するとドルの相場はかなり不安定になることが予想されるため、各国はドルに依存した決済体制に不安を感じている。これが国際貿易において、脱ドル化を加速させる背景にもなっている。
このように、脱ドル化の動きは明らかに加速している。だが、将来決済通貨としてのドルが一斉に放棄され、ドルの価値の暴落が起こるパニックのような展開になるのか、それとも中国やロシアなどの多極化を推進している大国が中心となり、ソフトランディングするように移行が管理されるのかはまだ見えてこない。
また、脱ドル化の後にはどのような決済通貨の体制になるのかも見えていない。人民元が中心的な決済通貨になるという見方もあれば、中ロが推進するデジタル決済通貨の導入が早いという見方もある。さまざまな見方がある中で議論がされている。
●「LEAP/2020」が発行するリポート、「GEAB」
そのような中、フランスの著名なシンクタンク、「LEAP/2020」が基軸通貨の多様化を特集したレポートを発表した。このシンクタンクはEU議会の政党、「ニューロピアンズ」の党首であったフランク・ビアンチェリがヨーロッパの視点から世界の動きを分析するために設立した独立系のシンクタンクだ。毎月、「GEAB(Global Europe Anticipation Bulletin)」よいう有料レポートを発行している。
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