「外国人技能実習制度、問題はそこじゃない」
外国人の技能実習制度については批判が絶えない中で、政府はこの制度を
廃止した上で、国内での「人材確保」明記した新制度へ移行する構想を持っ
ているようです。ただ、現時点で言われているのは、大きな変更ではありま
せん。具体的には、
「人材確保と人材育成を目的とする」
「現行の特定技能制度でない職種も追加する」
「転籍制限は従来よりも緩和する。特に、人権侵害や法律違反が確認された
場合は、転籍先を速やかに確保する」
「監理団体は存続させるが、認定要件は厳格化」
というものです。どうも問題は「そこじゃない」と思えます。具体的には
2点の問題があると考えられます。
1つは、多くの実習生が「最初に大きな額の借金を背負わされている」と
いう問題です。具体的には、各国の「送り出し機関」が日本円換算で80万
円などの費用を徴収しているようですが、実態は不透明とされています。一
部が日本側にリベートとして流れているとの指摘もあるわけで、この問題は
徹底的にメスを入れる必要があると思います。
送り出し機関というのが何をやっているのか、例えば簡単な履歴書や資料
を作成するだけで大金を払わせる一方で、個人が自力で書いた申請書類の場
合は審査で通さないなどの対応を、日本側がやっているのであれば、これは
癒着になります。また、本当に資金が還流していて、それを放置しているの
であれば、それこそ国家犯罪と言われてもおかしくありません。
2つ目は、技能実習を必要としている企業の問題です。最低賃金未満のカ
ネしか払わない企業や農園があるとして問題になっています。ですが、例え
ば果物農家の場合などでは、オーナーも昼夜兼行で働いていて、「オーナー
自身も時給換算では最低賃金以下」というケースもあるようです。そうなる
と、オーナーとしては「自分より高給を出すのは難しい」となるのかもしれ
ません。(続く)
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