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【Vol.479】冷泉彰彦のプリンストン通信『デサンティス訪日と大統領選』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「外国人技能実習制度、問題はそこじゃない」  外国人の技能実習制度については批判が絶えない中で、政府はこの制度を 廃止した上で、国内での「人材確保」明記した新制度へ移行する構想を持っ ているようです。ただ、現時点で言われているのは、大きな変更ではありま せん。具体的には、 「人材確保と人材育成を目的とする」 「現行の特定技能制度でない職種も追加する」 「転籍制限は従来よりも緩和する。特に、人権侵害や法律違反が確認された 場合は、転籍先を速やかに確保する」 「監理団体は存続させるが、認定要件は厳格化」  というものです。どうも問題は「そこじゃない」と思えます。具体的には 2点の問題があると考えられます。  1つは、多くの実習生が「最初に大きな額の借金を背負わされている」と いう問題です。具体的には、各国の「送り出し機関」が日本円換算で80万 円などの費用を徴収しているようですが、実態は不透明とされています。一 部が日本側にリベートとして流れているとの指摘もあるわけで、この問題は 徹底的にメスを入れる必要があると思います。  送り出し機関というのが何をやっているのか、例えば簡単な履歴書や資料 を作成するだけで大金を払わせる一方で、個人が自力で書いた申請書類の場 合は審査で通さないなどの対応を、日本側がやっているのであれば、これは 癒着になります。また、本当に資金が還流していて、それを放置しているの であれば、それこそ国家犯罪と言われてもおかしくありません。  2つ目は、技能実習を必要としている企業の問題です。最低賃金未満のカ ネしか払わない企業や農園があるとして問題になっています。ですが、例え ば果物農家の場合などでは、オーナーも昼夜兼行で働いていて、「オーナー 自身も時給換算では最低賃金以下」というケースもあるようです。そうなる と、オーナーとしては「自分より高給を出すのは難しい」となるのかもしれ ません。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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