この夏「アメリカ議会の上限債務を巡る混乱」が収束しない
まま、「ドル国債危機」が急速に台頭するリスクがあります。
常日頃「経済制裁でのドルの兵器化」に強い不満を募らせている
ロシア・中国・インドなどの新興国群はもうドル国債を買い進め
ないでしょう。
2023年夏に「ドル国債危機」が巻き起きて「アメリカ市場でト
リプル安」が起きたならば、それを境に、新興国通貨高・新興国株
式ブームに本格的に火が付き始める可能性があります。
年後半には国際分散投資の一環として、ヨーロッパ株式ブームも、
さらには日本株式ブームも始まるかもしれません。
さらにさらに、今年の夏、なんとか「ドル国債危機」といった「最
悪のエポックメイキングな出来事」が起きないで済んだとしても、
どこかの地点で「高めの物価・金利上昇」時代が幕開けする可能性
はとても高いです。
昨年から繰り返してお伝えしてきたことですが、パウエルFRBは
「2%のインフレ目標」は掲げたままで、どこかの地点で「3~
4%の高めのインフレを容認する政策」へと、こっそりと切り替
えてくることでしょう。
今のアメリカの経済論壇では、「せっかく労働市場が強くて人々
が失業の不安に怯えることなく高賃金をエンジョイできているの
に、2%インフレ目標を達成するためだけに、必要以上にFRBが
利上げを実行して、わざわざ深刻な不況を引き起こす必要がある
のか????これ以上の利上げは必要はない!!!」といった論
調が広がってきています。
この夏、パウエルFRBが「3~4%のインフレを容認する政策」
を始めたならば、「高めの物価・金利上昇」時代の幕開けです。
「新型コロナ」は世界経済を換えたのです。
アメリカもヨーロッパも紙幣をばらまき過ぎました。
各国の中銀の金融引き締めも遅れましたが、各国の財務省も政治
家の反対で、言い換えると有権者の反対で緊縮財政を行えません
でした。
米中の対立はますます深まり、アンチ・グローバリゼーションの
流れも止まりそうもありません。世界はブロック化し始めていま
す。
日本以外の先進国でも高齢化が進行、人々はあまり働かなくなり、
人手不足も恒常化、賃金が上昇しやすくなっています。
「グローバリゼーションの嵐」が吹き荒れた1980年から始ま
って、40年間続いた「物価安定・金利低下」の時代は終わりつつ
あります。
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