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軍事(偵察)衛星発射に至るまでの北朝鮮の宇宙開発計画(月光計画) 全データを検証する!

辺真一のマル秘レポート
\\\ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ///           辺 真一メールマガジン        マ┃ ル┃ 秘┃ レ┃ ポ┃ ―┃ ト┃         ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛              2023.04.25 Vol.331          [毎月5,15,25日発行+号外あり] /// ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ \\\  北朝鮮の衛星発射はまだ予告はないが、時間の問題となっている。北朝鮮の衛星打ち上げを事実上の長距離弾道ミサイルの発射みなす日米韓は迎撃態勢を敷き、スタンバイの状態にある。そこで、これまでの北朝鮮の「衛星」に関する動きやデータを総括してみることにする。    1.「光明星1号」(ロケットは「白頭山1号」)(3段式、全長26.5m、直径1.80m、重量3トン、衛星飛翔体は10kg、液体燃料使用)  1998年8月31日午後12時7分に能登半島から500kmから離れた咸鏡北道花台郡舞水端里(ムスダンリ)から発射。1段目は発射から1分15秒後に日本海(253Km)の公海上に、2段目は4分26秒後に発射地点から1646km離れた三陸沖の公海上に落下。北朝鮮は飛行コースを初めから津軽海峡に設定していた。  北朝鮮は8月7日から発射の準備をしていたが、国際機関への事前通告はなかった。当時三陸沖海域には漁船が多数操業し、民間航空機もミサイル通過時には7機飛来していた。発射から4日後に北朝鮮は「人工衛星」を打ち上げ、「発射から4分53秒後に衛星を軌道に乗せた」と主張。発表が4日も遅れたことについては「打ち上げ成功を確認し、測定資料収集した後、慎重に公表した」と説明。衛星が軌道に乗った根拠として「衛星からモールス通信が27メガヘルツで地球上に電送された」と主張。  衛星打ち上げの目的については▲多段式運搬ロケットによる衛星を軌道に正確に乗せる技術を取得するため▲衛星観測システムを完成することで宇宙の平和利用に貢献するためであると主張。  北朝鮮は「100パーセント自力による人工衛星の打ち上げは旧ソ連、米国、フランス、英国、日本、中国、インド、イスラエルに続く世界9番目の快挙である」と自画自賛していたが、日米中露などは衛星も信号も確認されなかったことから衛星は「軌道に乗る必要な速度に達していなかった」として「失敗した」と分析。米国防総省は9月15日に「3段式で、射程距離は約5千kmと推定される」と発表し、ラムズフェルド元国防長官は「これはICBMに匹敵する」とコメントしていた。  2.「光明星2号」(ロケットは「銀河2号」)(3段式、全長32m、直径2.40m、重量70トン、衛星飛翔体30kg、液体燃料使用)  2006年7月5日午前5時に江原道安寧郡旗対嶺(キッテリョン)から発射。40秒後に爆発し、失敗に終わった。  2009年4月5日午前11時20分に平安北道鉄山郡・東倉里(トンチャンリ)の西海衛星発射場から発射。1段目は発射地点から650km(秋田沖130km)、2段目は3600km(銚子沖2150km)に落下。北朝鮮は9分2秒後に「軌道傾斜角40.6度、近地点高度490km、遠地点高度1426km、周期104分12秒の楕円軌道に正確に投入された」と発表。  高温・高圧ガスの排出方向を調整し、これとロケット側面からのガスの噴射を合わせ、軌道修正と姿勢維持を行う軌道・姿勢制御システム(DACS)を使用したことが確認された。しかし、防衛省は▲物体が軌道を周回していることが確認されていない▲地球周回軌道に乗せる速度(秒速7.9km)に達したことが確認されていない▲人工衛星の打ち上げと考えられる軌跡も確認されていない等の三つの理由から北朝鮮が発表したような「運搬ロケットで人工衛星を軌道に正確に進入させることに成功した」とは考えられないと結論付けた。 ※人工衛星か大陸弾道ミサイルは角度と速度で決まる。  3.「光明星3号」(ロケットは「銀河3号」)(3段式、全長30m、直径2.40m、重量92トン、衛星飛翔体は100kg、液体燃料)※1段にはノドンミサイル推進体4基が装着。  2012年4月13日午前7時38分に東倉里から発射。2分で空中爆破し、失敗した。朝鮮宇宙空間技術委員会代弁人は打ち上げ前の内外の記者との質疑応答のなかで運搬ロケットが軌道を外れた場合は「自爆させる」と答えていた。  2012年12月12日午前9時49分に東倉里から発射。韓国沖(辺山半島西方140kmの海上)を通過し、石垣島、宮古島など南西諸島の上空からフィリピンの東方190kmの公海上に着弾。北朝鮮は発射から「9分27秒後に軌道に上がった」と発表。北朝鮮の発表では衛星は軌道97.2度、高度524kmを1週95分で周回。  4.「光明星4号」(地球観測衛星)(3段式、全長30m、直径2.40m、重量92トン、弾頭飛翔体は100kg、液体燃料)※1段推進体は27ktのエンジンを4個束ねている。

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