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ビジネス知識源プレミアム(水曜刊:660円/月:税込):Vol.1333
<Vol.1333号:正刊:金融危機の中核にある
デリバティブの意味(後編)>
2023年4月26日:
632兆ドル(8京3000兆円)のデリバティブ契約とは何か?
【テーマ(前編・中編・後編)】
1.デリバティブ(金融派生商品)の本質は「金融のリスク部分を証券化した金融商品」です。
2.2000年代の金融危機では、デリバティブでのカウンター・パーティーのデフォルトが中心になりますが、専門家の理解すら浅い。
3銀行と金融商品の危機から未然に逃げ、自己資産の損を避けるには、この「カウンター・パーティーのリスク」への理解が必要です。
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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3回シリーズでは、難しいとされるデリバティブ(8京2000兆円の契約)を、やさしく理解してもらうことを目標に書いています。
書くまでは、当方にもアイマイなところが残っていました。
解説は中学数学の言葉で、論理的に再構成すると決めたのです。
アンケートでは、95%の方から理解が得られた感じでした。
表現は、読み手の理解で価値が上がります。絵画・音楽も同じです。
〔定義〕デリバティブは、金融(=将来のマネーが金融です)の満期日までのリスク、つまり価格変動を統計的に計算し、等価交換する契約です。金融とはファイアンスのことです。ファイナンスは未来のマネーの調達あるいは借り入れです。このため、近い未来のリスクを計算するデリバティブはファイナンスに深く関係します。
借りたもの、返すものは未来のマネーですから、ファイナンスには変動のリスクが伴います。典型的なものは、株価変動のリスクです。
未来のリスクが大きくなることは、誰でも避けたい。このため、マネーの未来リスクを、損をするかもしれない固定的な保険料と交換するデリバティブが生まれたのです。なお金融商品のリスクとは、金利+将来のボラティリティ(確率的な変動幅≒標準偏差)です。
しかし、デリバティブで、金融のリスクがなくなったのではない。
リスクは、ブラックショールズでも計算される「オプション料」に移転したのです(保険料を受け取ったカウンター・パーティー、つまり相手銀行がリスクを負う)。
(注)オプション料:契約の満期日までに、権利行使価格で売る権利、または買う権利を得るために、カウンター・パーティーに払う、変動リスクの対価です。決めた権利行使価格で買う権利がコール・オプション、売る権利がプット・オプション。
【専門家も間違う】
第2次石油危機のあとの1980年代の物価上昇、そしてドル1/2の奈落から、1990年代の米国経済を再興して、金融のマエストロといわれた元FRB議長グリーンスパンは、2000年代の金融はデリバティブが増えて金融危機が消えたと、間違ったことをいっていました。
◎生命保険や火災保険をかけても、死亡率や火災率が減るのではない。リスク・イベントで発生する損害が、補償されるだけです。
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◎しかし、死亡率や火災率が急に上がるとリスクを引き受けたカウンター・パーティーの保険会社が破産します。金融危機の原因になるカウンターパーティー・リスクです。
インフレ、金利、変動率が上がることなど、マネーのリスクが高まる時期には、デリバティブは危険なものになります。
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