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中国が、物騒なことを決定する。スパイ行為を摘発する「反スパイ法」を改正強化するのだ。現行法より対象範囲を広げる。当局が、「国家の安全と利益」に関わる情報の提供や収集の疑いがあると判断すれば、取り締まりが可能になる。
「反スパイ法」は、「国家の安全と利益」に反する行為を取り締まるとされる。だが、取締り範囲が不明確であることから、相手国への報復に利用するのでないかと警戒されている。中国が、対中「技術封鎖」と非難する規制への報復として、中国の利益を害するリスクの少ない産業や企業へ照準を当て、「鬱憤晴らし」をするという戦略だ。中国は、こういう形で人質外交をエスカレートさせると懸念されている。
近い例では、ファーウェイ副会長孟晩舟氏が、米司法省の要請によりカナダで逮捕された直後、無実のカナダ人2名が「人質逮捕」された一件だ。これを見ても分る通り、自国の要求を受け入れさせるために手段を選ばないのだ。今回の「反スパイ法」強化は、相手国への見せしめという「非人権的」な行為を助長するリスクが指摘されている。
日本には、本格的なスパイ取締りの情報機関が存在しない。この結果、「中国スパイ」を逮捕しにくいことから、強気で自国民の返還交渉をする手段を持たないのだ。こういう経緯で、中国の人質外交によって、日本が特に影響を受けやすいと見られている。中国が2014年に反スパイ法を施行して以来、少なくとも17人の日本人が拘束されている。今回、拘束されたアステラス製薬の社員を含む5人が、未だ解放されずに獄窓につながれている。日本は、中国にとって最も狙われやすい国になった。
ウクライナ侵攻が引き金
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