【リベンジ】
「おい、今日もバイト行くのか?」
「はい、9時からです」
「そうか、たまに家で飲もうよ、いつが休み?」
「あっ、そうですね、今度の僕の休みは木曜日です」
「じゃ、家で食事とビール用意しておくから」
「ありがとうございます」
親方はみつおが仕事の後すぐに帰るので淋しそうだった。
東京が長がったため、地元にはあまり知り合いが少なく飲み仲間もいないので、みつおとビールを飲むのが楽しみだったのである。
「休みの時はここでメシ食っていけばいいのに、冷たいなぁ」
「いや、休みの日だけメシくださいというのも逆に図々しいかなと思って遠慮してました」
「そんなのいらんよ、みつおとビール飲むのが楽しみなのに」
「ありがとうございます」
みつおは、居酒屋が休みの時は家で自炊してそこから、行きつけのスナックへと向かうのが日課になっていた。
結局、どんなに忙しくしても、どんなに稼いでも、ちょっとした隙間を見つけて飲みに行くので同じことだった。
支払いは何とか間に合うのだが、残ったお金は全部酒代になるので貯金をする事はなかった。
飲み代欲しさにパチンコに行って、勝ったら飲みに行こうと思うのだがほとんど負けて、負けても飲みに行くので、いくらお金があっても余ることはなかったのである。
アルバイトをするようになって1ヶ月後にある事件が起こった。
ちょうどその頃、若い兄弟が入ってきた。
みつおに後輩ができたのである。
はやり年が近い方が話も弾むし、親方の家で飲んでいても楽しかった。
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