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日テレ「スッキリ」動物園ロケ問題の本質 日本人の”とてつもなく”足りない「動物福祉」の思想 2020年には、鶏卵をめぐり汚職事件が
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3月に終了した日本テレビの情報番組「スッキリ」の動物園のロケで、お笑い芸人のオードリー・春日俊彰がペンギンのいる池にわざと落ち、批判を浴びた。
批判を受け、日本テレビは謝罪したものの、問題の本質は日本のテレビ局の動物福祉(アニマルウェルフェア)への意識や取り組み不足だ。
事件は3月24日に起きた。栃木県の「那須どうぶつ王国」からの生中継で、ペンギンに餌をあげていた春日が、番組司会の加藤浩次から”促されるように”して池から3度落下。ペンギンたちは逃げ惑った。
動物園側はすぐに厳重抗議。日本動物園水族館協会(JAZA)も、
「動物に対する敬いの気持ちを忘れて単に笑いの対象とするような行為は認められない」
とする声明を発表した。
このことに対し、東海大学の伊藤秀一教授(動物福祉学)は、朝日新聞の取材に対し、
「出演者ではなく、テレビ局が動物に笑いや感動を求めるなどの問題が根本のあると考えられます」(1)
と厳しく批判。そのうえで、突発的な刺激が動物のショック死やケガにつながる危険性を指摘し、
「世界的に動物福祉への配慮が必要になっている中で、問題がある行動だった」(2)
とした。
目次
・動物福祉とは何か?
・海外の場合 フランスなどではイルカショー・サーカスの禁止も
・遅れる日本 動物福祉=鶏卵問題でもある
・動物福祉とは何か?
動物福祉とは、1960年代に提唱され始めた考え方。基本となるのは、人が動物を利用するとき、飢えや不快、恐怖などを強いられない
「5つの自由」
を保障することだ。すでにヨーロッパなどでは法整備も進み、日本の動物愛護法でも4つの趣旨が明記されてある(3)。
動物福祉は、1960年代のイギリスで、家畜の劣悪な飼育を改善させ、家畜の福祉を改善させるために、その基本となる「5つの自由」が定められた(4)。
現在では家畜のみならず、ペットや動物、実験動物など、あらゆる人間の飼育下にある動物の福祉の基本として世界中でその考えが認められている。
EU(欧州連合)でも、この考えが明記されている。イギリスでは、動物福祉法2006の第9条「福祉を保障するための動物の責任者の義務」として、「5つの自由」を「動物のニーズ」という形で、条文に書き込んだ。
世界獣医学協会(WVA)においてもこの基本方針が重視されている。
動物福祉の5つの自由は、以下の通りだ(5)
1.飢えと渇きからの自由
・その動物にとって適切かつ栄養的に十分な食物が与えられていますか?
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