■なぜ「実行&修正ミーティング」が必要か
ミーティング術は「短い時間で価値観の異なる複数人をまとめるた
めのコミュニケーションスキル」だ。つまり「すべての人」に役立
つ会話のスキルだ。
ミーティングには、成功の方程式がある。「成果=アイデア×実行
×継続・改善(質)」だ。これこそが成果が出て、誰もが幸せにな
る方程式だ。
アイデアは、目新しい工夫や着想、問題の解決策を出し合って決め
るステージだ。実行は、決めた内容の具体的な行動計画を設定し、
実行するステージだ。
継続・改善は、その後の修正・改善を繰り返すことで質を高め、成
功率を高めるステージ。掛け算なので、何かがゼロだと成果はゼロ
になる。
大事なことは、掛け算になっていることだ。技術が上手でも、すば
らしいアイデアが引き出せても、行動しなければ結果はゼロになっ
てしまう。
継続・改善も重要な概念だ。実行したことを検証し、改善と継続を
繰り返すことで、質がどんどん高まる。検証を繰り返してゴールに
近づけるプロセスがないと成果を出すことはできないのだ。
★
成果が出ないチームは「実行ができない」または「実行後の継続・
改善ができていない」ケースだ。成功の方程式をPDCAサイクルに置
き換えると「成果=アイデア(P)×実行(D)×継続&改善(C・A)」だ。
多くのミーティングでは「誰が・何を・いつ」までを決め、しかる
べき担当者らしき人物が、「詳細の計画は後ほど作ります」と述べ
て解散する。だが、対応されることは、ほぼない。
現場に戻れば、話し合った記憶もやる気もどんどん薄まっていく。
具体的な行動計画は中途半端になったまま、結果的に実行できない
悪循環を繰り返すケースが非常に多い。
この状態では当然、実行(D)に進まない。だからPDCAサイクル
のこの後のCAも回らない。実行の前の「計画段階」が成果を出せ
ない原因の1つだ。改善のチャンスになる部分だ。
★
取り巻く環境が大きく変わってきた影響で、特に実行力が重要視さ
れる時代だ。昔のような3か年計画や5か年計画を綿密に作ったと
ころで役にたたない。
成果を出している企業は、熟考でなく、走りながら修正しているも
のだ。「何が正しいのかわからない」「何をやれば成功するのか見
えない」といった正解がない環境が現代だからだ。
そんな状況下での行動は、当然リスクも伴う。それでも、成功と失
敗を繰り返してきた企業にだけ、そのうちのいくつかが実を結び、
現在の優位性をもたらしてくれている。
コロナ前後の2、3年でも、環境は様変わりだ。加えて複雑に多様
化もしている。たとえば連絡手段はチャットが主流だが、一つの会
社で複数のチャットを同時活用することも珍しくない。
このように「変化が速く」「複雑に多様化」していることが、実行
力重視に拍車をかけている。つまり、現状維持では後退になるの
だ。だからこそ、企業は常に行動が必要なのだ。
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変化のスピードが速く、多様化する状況下で、リーダー1人が一か
ら十まで把握し、頑張って実行し、組織を引っ張り、成果を出すこ
とはできない。すべての現場を把握することはできないからだ。
そんな中、情報と知恵を集め、決まったことを実行し、協働しなけ
ればならない。ミーティングで意見や提案をすることはできても、
実行には覚悟が問われる。だから、逃げ腰になる人が増える。
だが、実行には協働が不可欠だ。ミーティングスキルが必要だ。特
に求められるのが実行型ミーティング術だ。万能なスーパーリーダ
ーになる必要はないのだ。
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