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【Vol.481】冷泉彰彦のプリンストン通信『方向性定まらぬアメリカ』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「マイナで子どもの登下校管理、本当に大丈夫か?」  政府は、マイナカードで学校が児童・生徒の登下校状況を管理するシステ ム開発を考えているそうです。具体的には、島根県美郷町が今年度、実証実 験に着手すると発表されています。この美郷町ですが、大田市から三瓶山の 方へ入った、江の川流域の町で、人口は4000人と少しというコミュニテ ィです。  目的としては、「共働き世帯が増加する中、デジタル技術を活用し、学校 や保護者が子どもを見守りやすい環境」を整える狙いがあるとされています。 システムの設計は、児童らが登校すると教室などに設置した「専用の読み取 り機」にマイナカードをタッチすると、登校時刻が記録されて保護者のスマ ホには通知が届き、学校もPCなどで登校の記録がリアルタイムで可能。ま た下校時には同じように保護者、学校に記録が行く他に、防犯団体などにも データが行くというのです。  驚愕の発想だと思います。一体政府やデジタル庁は何を考えているのでし ょうか?  3点指摘したいと思います。  1点目は、ナンバリングとして、マイナンバーを使う必要があるのかとい うことです。町レベルで開発するシステムだから予算は限られるし、セキュ リティも最高レベルには持っていけないという心配があります。仮に当初は 国から大きな予算が来て、かなりのセキュリティのレベルが実現できても、 この世界はどんどん変わっていきます。その後も、必要なセキュリティアッ プデートが可能なのか、全くもって持続可能性は薄い話です。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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