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第67回 世界の対中国政策の趨勢は、デカップリングからデリスキングへ

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 岸田総理大臣は何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる――。  5月9日、アメリカの雑誌「タイム」がウェブで公開した記事の見出しに日本のメディアがざわついた。だが騒ぎはそれだけで収まらなかった。11日午後になって突然、冒頭の見出しは「平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」と書き換えられたからだ。  共同通信はこの変更の裏側を、「修正を求めたわけではないが、見出しと記事の中身があまりに違うので指摘した。どう変えるのかはタイム誌の判断だ」という政府関係者のコメントともに報じている。  要するに「圧力ではない」と言いたいのだろうが、これは日本の北京特派員が中国共産党の不興をかったとき中国外交部から呼び出される「指摘」を彷彿とさせる。  いくら言論や表現の自由といっても、本当に機微に触れる問題では限界があることを見事に晒してしまったわけだが、問題はそこだけではない。

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