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中国へのし掛る「三重苦」とは? 失業者は露天営業で「自営自活」時代へ

勝又壽良の経済時評
  • 2023/05/15
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家計を置き去りにした財政 マイナス寸前の消費者物価 設備投資は海外資金に頼る 追込まれる地政学的リスク 中国国家主席・習近平氏は、果たして政策運営で外交・内政のバランスを取っているか。最近、疑問に思われることが噴出している。「反スパイ法」強化は、戦狼外交であり安全保障を重視したものだ。米国とその同盟国へ、「刃」を向けている。だが、中国経済を支えているのもこれら西側諸国だ。西側へ対抗すればするほど、そのブーメランが中国を襲う構造になっている。習氏は、このことに全く無頓着な振る舞いを続けているのである。 なぜ、こういう事態が起こっているのかと言えば、習氏自身が毛沢東的な発想に立っている結果だ。毛は、無益な「文化大革命」を10年も続けた人物である。この間に、国内で反乱が起こるわけでもなく、共産党統一という旗の下ですべて混乱に任せていた。これと同じことが今、再び中国で始まろうとしていることに注意すべきだ。 毛は、共産党内の権力争いであった。習氏は、これを一段上げて、米国との覇権争いを始めている。そのためには、中国国内経済がいかなる混乱に陥っても耐え抜くという構えだ。国内経済の基盤が崩れれば、米国との覇権争いができるはずもない。習氏には、そういうバランス感覚が存在しない。「米国衰退・中国繁栄」という根も葉もない盲信に従っているだけだ。この盲信が、どの時点で消えるかは予測不可能である。唯一の手がかりは、ロシア大統領プーチン氏が政治的に「消える」事態になれば、初めてそのリスクに気づくのかも知れない。 中国経済は、気の毒にも「三重苦」に取り囲まれている。習近平リスク・不動産バブル崩壊後遺症・3年間のゼロコロナ後遺症だ。この三重苦から逃れる道はない。習氏が、国家主席の座を降りることで、一つだけ軽くなる程度である。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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