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第215号 恐怖の餓死カルト教団/ジューンブライドと五月忌み/初鰹/母さんの日

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  • 2023/05/17
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「恐怖の餓死カルト教団」 このコーナーでは久しぶりに海外の事件を取り上げますが、政権与党である自民党が旧統一教会という韓国のカルト教団とベッタリ癒着している日本にとって、アフリカはケニアのカルト教団「グッドニュース・インターナショナル教会」による信者の大量殺戮事件は、とても対岸の火事とは言えません。 発覚から連日のように、10人、20人と犠牲者の遺体が発見され続けているこの事件では、5月13日、新たに22人の遺体が見つかり、死者はとうとう200人を突破して計201人となってしまいました。しかし、4月25日の時点で、家族から行方不明の報告が寄せられている人数は259人(うち130人は子ども)であり、家族と連絡を取って来なかった信者も数多くいるため、地元メディアは「今後も死者数は増える恐れがある」と報じています。 すでに逮捕・起訴されている教団の指導者、ポール・マッケンジー被告(51)は、「世界はもうじき終わりを迎える。その前に餓死すれば、その者は天国へ行ってイエス・キリストに会うことができる」と言って信者らを洗脳し、餓死するまで断食を強要して来ました。教会のあったケニア東部マリンディの近くのシャカホラの森の中からは、捜査当局によって、次々と遺体が掘り起こされています。ちなみに、シャカホラの森の面積は、東京ドーム約70個分もあるそうです。 信者らは、この森の中で集団断食をさせられ、餓死した者から順に埋められて行ったそうです。そう聞けば、こんなカルト宗教を信じた側にも責任があるように感じてしまいます。しかし、実際には、ポール・マッケンジー被告と一緒に逮捕された25人の「用心棒団」が、信者らが森から脱走しないように、銃器を持って監視していたのです。 その上、土中から掘り起こされた遺体を検視したマーティン・ムネネ主任検査官のによると、「多くの遺体は飢餓が死因だが、子どもを含む一部の遺体には、絞首、窒息、鈍器による殴打の跡が見つかった」と報告しています。つまり、一部は餓死ではなく殺害されていたのです。ガリガリに痩せ衰えた瀕死状態で救助された信者らによると、幼い子どもたちは断食に耐えられずに「お腹が減った」と泣き叫ぶため、「用心棒団」に首を絞められたり殴打されたりして殺されたと言います。 さらに問題なのは、多くの遺体が腹部などを切られて臓器が無くなっていたことです。捜査当局は「大規模な臓器売買が組織的に行なわれていた」と見て捜査を進めています。そして、4月27日、今度は南部キリフィにある別の教会の牧師、エゼキエル・オデロ容疑者が「信者の大量殺戮に関連する容疑」で逮捕されました。 オデロ容疑者はテレビにも出ている人気者の牧師で、彼のYOU TUBEチャンネルは合計で400万人ものフォロワーがいるそうです。飲むだけでどんな病気も治るという「生命の水」を売っているというだけでイカサマ感がマンマンですが、ケニアでは飛ぶように売れていると言います。 オデロ容疑者が所有する教会は、東京ドーム6個分もある広大な私有地に建てられており、そこには大きな宿泊施設やガソリンスタンドまで併設されています。週末になると各地から信者が集まって来て、宿泊施設は満員になるそうです。オデロ容疑者を逮捕した後、捜査当局は施設内に閉じ込められていた100人以上の信者を救出したそうです。 そんなエゼキエル・オデロ容疑者ですが、1月に釈放されたポール・マッケンジー被告が、多くのフォロワーを持つ自身の伝道チャンネルをオデロ容疑者に売却していたことが分かったのです。そして、それだけでなく、マッケンジー被告による「臓器売買疑惑」を追っていた捜査当局は、この事件に関して、マッケンジー被告側からオデロ容疑者の銀行口座へ巨額のカネが振り込まれていた証拠を掴んだのです。そのため、捜査当局はオデロ容疑者を逮捕したのですが、同時に、オデロ容疑者の20以上ある銀行口座をすべて凍結しました。 一方、ポール・マッケンジー被告は、取り調べに対して「教会は4年前の2019年に閉鎖し、以来、宗教活動は行なっていない。現在は牧場を経営している」などと述べています。しかし、捜査当局は、マッケンジー被告が2020年以降も大規模な宗教集会を行なっていた証拠を掴みました。そして、マッケンジー被告が現在住んでいる牧場の敷地内からも、複数の遺体が掘り起こされました。 それにしても、あたしが不思議に思ったのは、当初の警察や検察の対応です。マッケンジー被告は、今年1月に、信者の2人の子どもを窒息と餓死で殺害した容疑で逮捕されたのですが、その後、すぐに保釈されているのです。そして、その後も信者らが殺され続けたのです。この時にマッケンジー被告を起訴して身柄を拘束し、徹底的に捜査をしていれば、多くの信者を救うことができたかもしれないのです。 ケニアの上院議員の中にも、この時に警察と検察が簡単に保釈したことで、シャカホラの森での信者の大量殺戮に拍車が掛かったのだと批判している人たちがいます。そのため、ケニアの司法当局は、「この事件を処理した司法官と職員による不正行為があったかどうかを内部調査する」という声明を出しました‥‥と思ったのも束の間、今度は4月27日に逮捕されたエゼキエル・オデロ容疑者が、わずか1週間で保釈されてしまったのです。 ポール・マッケンジー被告もエゼキエル・オデロ容疑者も、これまでの現地報道の内容を見る限り、長年にわたって凶悪犯罪に手を染めて巨額の富を得て来た人物である可能性が極めて高いのです。それなのに、これまで逮捕されなかったり、逮捕されてもすぐに保釈されたりして来たのは、警察や検察の担当者が便宜を図っているとしか思えません。そして、そこには、日本の時代劇の「悪代官と越後屋」のような関係があるとしか思えません。 しかし、これほど組織的で何百人もの死者が出ている大事件が、このような警察や検察の末端の担当者だけの癒着で見過ごされて来たとは思えません。今回の事件を受けて、ケニアのウィリアム・ルト大統領は調査委員会を立ち上げ、カルト教団に対する厳しい法規制を宣言しましたが、ルト大統領は昨年2022年に大統領になったばかりで、それまで10年間は副大統領でした。 そして、昨年までの10年間、大統領をつとめて来たウフル・ケニヤッタ前大統領は、パナマやヴァージン諸島などのタックス・ヘイヴン(租税回避地)にある複数のペーパー・カンパニーを使って、母親や兄弟姉妹の名義で、合計約3000万ドル(約40億円)もの資産を隠し持っていたことが、昨年、発覚しています。いくら大統領と言っても、これほど巨額の資産を正当に得ることなど不可能ですし、それを肉親の名義でタックス・ヘイヴンに隠し持っていたという事実だけでも、犯罪の匂いがプンプンして来ませんか?

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