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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.5】
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【今週号の目次】
1. 最近気になったニュースから
◆ スティーブ・ウォズニアックがイーロン・マスクをこき下ろす
2. 今週のメインコラム
◆ グーグルが最強の企業になったわけ(中編)
3. 読者からの質問に辻野晃一郎が答えます!
4. スタッフ“イギー”がつぶやく今週の辻野晃一郎
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1. 最近気になったニュースから
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◆ スティーブ・ウォズニアックがイーロン・マスクをこき下ろす
今号では、小ネタですが、スティーブ・ウォズニアックの最近のぶっちゃけ発言がおもしろかったので、それを取り上げます。
前号の本コーナーでは、ジェフリー・ヒントンがAIの脅威について自由に発言するために、グーグルを辞めた件を取り上げました。その中で、イーロン・マスクやスティーブ・ウォズニアックなど、1,000人以上のテックリーダーや研究者が、OpenAIのGPT-4よりも強力なAI技術の開発を6カ月間休止するよう公開書簡で求めたことに触れました。
スティーブ・ウォズニアックについては、古い人物なので、若い読者の中には、ひょっとすると知らない方もいるかもしれません。念のため、簡単に紹介しておくと、彼はスティープ・ジョブズたちと共に、アップルを創業したコンピューター・エンジニアです。
よく「二人のスティーブ」ともいわれますが、5歳ほど年下のジョブズとは、アップル創業のはるか以前から交友関係がありました。ウォズニアックは、6歳でアマチュア無線の免許を取得し、幼少期から無線機や簡単な計算機などを自作するような才能を発揮していたことでも知られています。ジョブズと一緒に、ブルーボックスと呼ばれる長距離電話を無料にする不正な装置を自作、販売して小銭を稼いだりと、二人でいろいろヤンチャなこともしていました。彼が、後にApple Iと命名されたマイコンを自作したことが、アップル創業のきっかけになりました。
さて、そのスティーブ・ウォズニアックが、5月2日のCNN This Morningという朝の番組に出演していたときのことです。話題の一つとして、ジェフリー・ヒントンがグーグルを辞めた件や、AIの脅威について取り上げていました。ウォズニアックは、前述のAI開発の休止を求める公開書簡に署名していたことから、この日の番組にゲストコメンテーターとして出演依頼を受けていました。ニューヨークからのライブ番組に、カリフォルニアからオンラインで参加していた彼の姿を久し振りに見ましたが、肥満体型は変わらないものの、トレードマークだったヒゲをすっかり剃り落としていて、72歳とは思えないくらい若々しく元気に見えました。
ヒントンやAIの脅威についての話を終了して、女性キャスターの一人 ポピー・ハーロウが、ウォズニアックに、「また番組に出てくださいね」と会話を締めくくろうとした瞬間、もう一人の女性キャスター ケイトラン・コリンズが、「イーロン・マスクと話したことがあるか?」と急に尋ねたのです。
それに答えたウォズニアックのコメントは、放送事故的にマスクをこき下ろすものでした。キャスターの二人も驚いていて面白かったので、以下に詳細を記載します。なお、直訳だとわかりにくい部分は、私なりに多少意訳をしていますのでご了承ください。
ウォズニアックは、――
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