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第746回 債務上限引き上げ問題と金融危機、GEABが指摘する意図的な危機、パーカーの最新予言
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▼今回の記事
まず今回は、ウクライナ戦争の戦況について一言書く。日本では報道されていないので重要だ。次にメインテーマとして、アメリカの債務上限引き上げ問題が引き起こす深刻な事態について解説する。銀行破綻の連鎖とこれが重なる場合、予想を越えた経済的な混乱になるかもしれない。最後に、イギリスの著名なサイキック、クレイグ・ハミルトン・パーカーの最新予言を紹介する。
▼ウクライナの戦況
今回はメインテーマを書く前に、ウクライナの戦況について一言書いておきたい。日本の主要メディアを見ると、欧米の最先端兵器の供与を受けたウクライナ軍の反転攻勢が徐々に始まっており、一部領土の奪還に成功し、ウクライナに有利に戦いを進めているとの印象を受ける。
しかしながら、日本を始めとした西側のメディアは、ウクライナ軍の戦果とロシア軍の被害や混乱は伝えるものの、ロシア軍の戦果はまったくと言ってよいほど伝えない。要するに、フェイクではないものの、一方の情報しか流さないので、戦況の誤った印象を与えるのだ。もちろんこれは、主要メディアが意図的に行っていることだろう。
ウクライナ戦争の戦況のバランスのよい情報を得るのはさほど困難ではない。現地にいる独立系のジャーナルストもいれば、軍事専門の分析者も多い。さらに、信頼できる軍事系のシンクタンクもある。戦況の実態を知りたいとき、これらの複数の情報源を参照すると、全体が見えてくる。どのサイトも同じ情報を流すので、何が実際に起こっているのか確認できるからだ。そうした情報を総合すると、実際の戦況は次のようになっている。この2~3日の状況だ。
●実際の戦況
・バフムトの状況
激戦地の「バフムト」ではウクライナ軍が西部の一部をロシア軍から奪還したが、支配は長くは続かなかった。ロシア軍によって撃退された。さらにロシア軍は、西部の「シタデル」という地域で支配地域を広げた結果、現在では「バフムト」の99%がロシア軍の支配下にある。
・キーウのミサイル攻撃の実態
5月17日、ロシアは首都のキーウを極超音速ミサイル、「キンジャール」6機を含む18機のミサイルで攻撃したが、ウクライナ国防省はこれをすべて撃退したと発表した。撃退に使われたのは、迎撃ミサイルの「パトリオット」である。しかし、ロシア軍は異なった発表をしている。発車したミサイルの何機かは撃墜されたものの、「キンジャール」はウクライナ軍の保有する「パトリオット」の破壊に成功したという。破壊される現場はビデオで撮られているので、確認できる。ロシア軍の情報が正しいようだ。
・劣化ウラン弾の弾薬庫の破壊
5月12日、西側のメディアではまったく無視され報道されていないが、ロシア軍の21機のドローン攻撃でウクライナ西部にある都市、「フメルヌィークィイ」のウクライナ軍の弾薬庫が破壊された。数十人が負傷した。現地のウクライナ軍のテレグラムでは、「重要なインフラが破壊された」とあるが、ビデオに撮られた動画を見ると、大量の弾薬や爆発物の貯蔵場所が連鎖的に爆発した模様だ。この弾薬庫は西側から供与された劣化ウラン弾が保管されていたという情報もある。以下が爆発の動画だ。巨大である。
https://www.youtube.com/watch?v=yk2tUVtK53g
https://www.youtube.com/watch?v=pcjzcErMdwQ
一部の戦況分析の専門家は、この攻撃によってウクライナ軍の反転攻勢の時期はさらに遅れることになったのではないかとしている。
さて、このようなロシア側に有利よなるような戦況が日本で報道されることはまずない。無視されている。
また日本では、ロシアがウクライナの領土の拡大に失敗しているとして、これをロシア軍が劣勢である根拠にしているが、どうもそれは当たっていないようだ。この「特別軍事作戦」の目標は、東部のルガンシク、ドネツク、そして南部のサボリージャ、ケルソンの4つの州をロシアに併合し、NATO軍のバッファーにすることである。したがって、ロシアはウクライナ全体の掌握は目標にしていない。ロシアは1年以上この4州の保持に成功しているので、目標を実現していると言うことができる。
このように、日本で喧伝されているイメージは現実の戦況とはかなり乖離しているようだ。ロシア軍は勝利しているとは言えないものの、日本で喧伝されているほど劣勢には立っていない。
▼米債務上限引き上げ問題は
このように見ると、ウクライナの勝利で戦争が終わる可能性は極めて低い。ロシア軍は決して劣勢ではないので、このまま行くと戦争はまだまだ長期化する可能性が高い。
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