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広島G7でウクライナ支援を鮮明にした岸田総理は、戦争被害と核使用リスクの双方をいたずらに拡大させた。

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
テレビ、新聞でも、さらにはインターネットでも、G7の議長を務めた岸田総理への賞賛の声が大きくなっています。これまで岸田氏を批判していた方々も含め、議長国として上手に振る舞ったとの声が支配的です。 岸田氏はまさにそんな「評判」を得ることだけを目指していたので、岸田氏は今頃大いにほくそ笑んでいるでしょうが、その評判と裏腹に、今回の世論対策のためだけの「政治ショー」は、日本のみならずウクライナにも、欧州にも、そして世界にも大いなる巨大被害をもたらす禍根を残すものとなっています。 既に何度も指摘しましたが、日本にとって最大の禍根は、謝罪はもちろん(オバマが口にした核全廃という)言い訳すら口にしない米国大統領を広島慰霊させた事を通して、米国が原爆投下を謝罪する可能性を「限りなくゼロ」してしまったことです。これは原爆被害者のみならず、日本に対する最大の背信行為です。 同時に岸田氏は、ゼレンスキー大統領を「活用」して、徹底的にロシアとウクライナ支援勢力との対立を煽るという挙にでました。しかも、広島の被爆者達を「活用」して、核使用は絶対に許されないとアピールし、それを通して、核使用をちらつかせるプーチンをさらに「悪魔化」し、それを通してロシアとの対立をさらに煽るという挙にも出ました。 そしてその上で、自らも「軍用車」100台を提供するという、武器輸出を禁じた日本としては「すれすれの軍事支援」も含めた、G7各国からのウクライナ支援を議長としてとりまとめました。 日本では、「ゼレンスキーが来てくれた」ことでG7が大いに盛り上がり、まるでサッカーの試合を観るかのようにして「ロシアをやっつけろ!」という機運が拡大しましたが、それを通して、ウクライナ和平が遠のいていることに気がついている日本人は限られているようです。

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