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【死んでも書きたい話】 開示請求が通った?

安田純平の死んでも書きたい話
少し前まで寒かったのに、日中は暑いし夜はずいぶん涼しいしでよくわからない天候ですが、いかがお過ごしでしょうか。 旅券裁判で証人尋問へ コロナ禍ですっかり姿を見なくなっていた外国人観光客がかなり戻ってきているようです。外国へ行っている日本人も多くなっていることでしょう。羨ましい限りです。 私は相変わらず旅券がないので、国内で悶々とすごしています。帰国して4年半がすぎますが、旅券発給拒否取り消しを求める裁判は今も続いていて、6月20日にいよいよ私の尋問が東京地裁で行われます。 国側は旅券を発給するかしないかは完全に外務大臣の裁量である、と主張し続けていて、だったらどのような判断をしたのか当時の担当者を証人に呼んで説明させよ、とこちらは求めてきましたが、昨年末に就任した新しい裁判長が「証人って必要ですかねえ」とヘラヘラ笑いながら却下したため、私だけが尋問を受けることになりました。 国側は、2012年に私がシリアを取材した際に隣国から密入国したことを問題視しており、「法を守る意識のない奴に旅券を発給したら世界の全ての国から信用を失う」という主張を続けてきました。 当時の段階ですでに2万人の死者が出ていたシリアでは、政府側と反政府側の支配地域が分かれていて、政府軍が反政府側への空爆砲撃をしている実態は反政府側地域へ入る以外に確認のしようがありませんでした。「外国人テロリストを殺しているだけ」というシリア政府の主張が本当なのかどうかは、シリア政府の言い分を聞こうと反政府側の言い分を聞こうと、彼らの出す映像や言葉からだけでは嘘か本当かは分かりません。第三者として目や耳で見聞きすることでしか分からないものがあり、だからこそ記者が現場へ行くのです。これは私だけでなく、反政府側地域を取材していた世界中の全ての記者が認識していることです。

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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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