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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第623号(2023/6/4) 日本株の根拠が薄い上振れ続いた/材料に乏しい週
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
6/10(土)福岡(5/15)
6/24(土)札幌(5/25)
7/1(土)浜松町(4/20)
7/8(土)高岡(2/25)
7/15(土)名古屋(3/20)
7/22(土)大阪(5/15)
7/29(土)横浜(3/20)
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
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6/7(水)内外投資家から見た、日本の企業経営への疑義(オービックビジネスコンサルタント主催)(無料)
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☆過ぎし花~先週(5/29~6/2)の世界経済・市場を振り返って
<日本株の根拠の薄い上伸続いた、今週も「正常化」は一時的>
(まとめ)
先週は、5/31(水)こそ日本株が「正常化」する動きを示しましたが、やはり長続きせず、根拠の薄い上伸の流れに飲み込まれました。
週末にかけては、米雇用統計で雇用者数の増加が予想以上であったことを材料として、米国株価が上振れし、それが日経平均先物を一時32000円超えにまで押し上げました。ただ、雇用統計の解釈も楽観に過ぎると懸念します。
(詳細)
先週は、5/31(水)のように、日本株が下落するといった「正常化」が生じる局面はありました。ただし、そうした流れは持続せず、週末にかけて、勢いばかりの根拠の薄い株価上伸の流れに、飲み込まれていきました。
5/31(水)に、日本株をいったん正常な方向に戻した材料だったと考えられるのは、同日に発表された日本の4月の鉱工業生産でした。事前の市場予想では、前月比で1.5%増加すると見込まれていましたが、実際には0.4%減少しました。円相場が安いかどうかにかかわらず、「世界的な景気悪化→日本製品に対する海外需要の減退→輸出数量の減少→国内生産の抑制」といった、海外発の経済悪化が日本経済の重石になっている、という事実が、如実に示されたと判断します。
週末(6/2、金)の米国市場で、株高要因とされたのは、同日発表の5月の雇用統計でした。最も注目される非農業部門雇用者数前月比については、4月分が25.3万人増から29.4万人増に上方修正されたうえ、5月分が33.9万人増と、市場の事前予想の19.0万人増を大きく上回りました。このため、米雇用が強く景気が堅調である、との見方が広がりました。
しかし雇用統計の内容は、雇用者数の伸びばかりが強かった、と捉えています。
たとえば一人当たり平均時給の前月比は、4月分が0.5%増から0.4%増に下方修正され、5月分は0.3%増とさらに低い伸びにとどまりました。緩やかな所得環境の伸び悩みが示されたと言えます。
また雇用動向の先行指標として、一人当たり労働時間を注目しています。というのは、景気悪化に伴い仕事量に陰りが出れば、それが残業や休日出勤の減少を通じて労働時間を抑制します。それが続くと、経営者が「うちの社員はみな暇そうで、給与を払っているのがもったいないから、首を切ろう」と考え、雇用の削減がやってきます。
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