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高野孟のTHE JOURNAL Vol.603 2023.6.5
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1209》
存在感を増す「BRICS+」と「上海協力機構」/もはや
20世紀の遺物と化した「G7」
【2】《CONFAB No.569》
閑中忙話(5月28日~6月3日)
【3】《FLASH No.517》
公明党が東京で自民党と選挙協力解消 その裏に日本維
新の会との取引があるのか/日刊ゲンダイ6月1日付
「永田町の裏を読む」から転載
■■ INSIDER No.1209 23/06/05 ■■■■■■■■■■
存在感を増す「BRICS+」と「上海協力機構」/もはや
20世紀の遺物と化した「G7」
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岸田文雄首相が精一杯に演出を盛り上げて、あわよく
ば会期末解散への踏み切り台にしようとまで企んだG7広
島サミットだったが、何ら目覚ましい成果をあげること
もなく終わった。もし岸田が本気でウクライナ戦争の泥
沼化に歯止めをかけるつもりであれば、ゼレンスキーだ
けでなくプーチンも呼んでその場で停戦交渉を始めさせ
るくらいの芸当が必要だったろう。しかしそんなものは
何もなく、「ウクライナ支援」と「ロシア非難」の合唱
を繰り返しただけだった。
他方、せっかく広島を会場に選んだのだから、「核な
き世界」への覚悟を世界に示す機会にすることを被爆者
はじめ国民も期待したけれども、原爆資料館の見学の様
子さえ非公開にしなければならないのほどのズッコケぶ
りで、被爆者たちを怒らせてしまった。
おそらく岸田には、国民も世界も目に入っておらず、
ひたすら米国のご機嫌を伺って、バイデンが旗を振る
「西側先進国=民主主義国vs東側共産陣営=専制主義
国」の対立構図を際立たせ、インドやインドネシアやベ
トナムなど地域の有力国をロシア・中国の影響から引き
離そうと図ったのだろうが、そもそも21世紀の今日で
は、「西側」というものが存在せず、「先進国」の観念
も半ば崩壊しているし、そうであれば「東側」もまた存
在せず、ロシア、中国、北朝鮮など元と現の共産国が1
つの陣営を成して西側に挑んでくるといったこともな
い。
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