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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.8】
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【今週号の目次】
1. 最近気になったニュースから
◆ イーロン・マスクの「脳埋め込みチップ」
2. 今週のメインコラム
◆ 人間にとって働くとは何か?
3. 読者からの質問に辻野晃一郎が答えます!
4. スタッフ“イギー”がつぶやく今週の辻野晃一郎
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2.今週のメインコラム
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◆ 人間にとって働くとは何か?
前号まで、4回連続で「グーグルが最強の企業になったわけ」と題し、超速集団グーグルの働き方を私の実体験に基づいて紹介しました。また、5月12日配信の第4号では、ChatGPTなどの生成AIの登場によって、いよいよ誰の目にも可視化されてきた「AI失業」についても、ジェフリー・ヒントンのグーグル退社に絡めて言及しました。
AIを始めとした凄まじい技術革新、温暖化などによる地球環境の大変動、人生100年時代とも言われる長寿化などによって、人々の働き方や雇用のあり方は文明的大転換期を迎えています。そこに新型コロナパンデミックやウクライナ戦争の影響も加わって、人々の価値観や人生観そのものが、今大きく変わりつつあると言えるでしょう。
4月21日に配信した創刊号では、「自分が主役の人生を生きていますか?」という問い掛けを行いましたが、今号では、あらためて、「人間にとって働くとは何か?」について考えてみたいと思います。
福澤諭吉の心訓七則(実際は作者不明)には、「世の中で一番楽しく立派なことは一生涯を貫く仕事を持つ事です」とあります。本来「働くこと」は楽しいことであり、喜びであり、生きがいともなるものだ、ということを言っているのだと思いますが、この捉え方は大切です。「はたらく」の意味は「傍楽」すなわち「傍(はた)を楽にする」と唱える人もいます。「マズローの法則」にもありますが、人には、誰かの役に立ちたい、という根源的な欲求があると言われます。実際、自分の行為で周囲の人が喜んでくれることは、まさにプライスレス、無上の満足感をもたらすものでしょう。ちなみに「傍楽」の反対語は「傍迷惑」だそうです(笑)。
そうは言っても、そんなわけない、働くことは苦痛だ、生活のために嫌々働いているだけだ、と思う人もいるかもしれません。もちろん、すべての人たちが、職種や職場環境など、それぞれの事情を抱えて働いているわけですから、働くことに対してネガティブな意識をお持ちの方もいるでしょう。再びマズローの法則を持ち出すならば、「働くとは何か?」という問いに対する答えは、――
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