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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 180
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、「人貨場」の考え方についてご紹介します。
人貨場とは、お客さん、商品、(販売する)場所のことで、中国では人貨場を一致させることで商品が売れるという理論が広く知られています。理論というほど大袈裟なことではなく、あたりまえのことです。店舗(場)に商品(貨)を置いておき、そこにお客さん(人)がやってきてくれれば商品は売れます。しかし、店舗の場合、人にやってきてもらうのは簡単ではありません。そこで集客ということが必要になります。
店舗小売の場合、場と貨は固定されて動かすことができませんから、集客=マーケティング技術になります。
しかし、ECでは、場も貨も動かすことができます。例えば、スマホECでは、自宅でアクセスをしたら、自宅が「場」になります。人貨場を一致させやすいのです。つまり、ECでは、人貨場の3つをどのように動かして一致させるかということがマーケティング技術になります。
そこで、今回は中国の5つのタイプのEC「伝統的EC」「内容EC」「興味EC」「社交EC」「ライブコマース」のそれぞれについて、人貨場の3つをどのように一致をさせようとしているのかをご紹介します。
今回は、「人貨場」の考え方についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 180
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▼目次▼
5種類のECの「人貨場」。消費者、商品、場を一致させることで商品は売れる
小米物語その99
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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5種類のECの「人貨場」。
消費者、商品、場を一致させることで商品は売れる
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今回は、「人貨場」の考え方についてご紹介します。
ECというと、多くの人がアマゾンや楽天市場を思い浮かべると思います。あるいは、ヨドバシ.comやZOZOTOWNを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。その他、ユニクロやデルといったメーカー直販(D2C)もあります。しかし、このような日本のECには共通した特徴があります。それは中国では「貨架EC」(商品棚EC)と呼ばれる方式であるということです。ウェブページやアプリを開くと、そこに商品が並んでいて、目的の商品を検索して見つけて購入するというものです。
「あたりまえじゃないか、この人は何を言っているのだ?」と思う方もいるかと思います。中国でなぜ、この、あたりまえのECのスタイルにわざわざ名前がついているのかというと、商品棚ECではないECが存在するからです。
ひとつは、SNSをうまく活用してまとめ買いをさせる「社交EC」(ソーシャルEC)です。ピンドードーが最も有名です。さらに、インスタグラムのようなコンテンツに商品タグがついていて、そこから購入ができる「内容EC」(コンテンツEC)もあります。SNS「小紅書」(シャオホンシュー)が代表格です。
さらに、ショートムービーで欲求を刺激し商品タグから購入するという「興味EC」もあります。ショートムービー「抖音」(ドウイン、中国版TikTok)が代表格です。さらに、すっかり有名になりましたがライブ配信でテレビショッピングのように商品を紹介し、購入をするという「ライブEC」(ライブコマース)もあります。
つまり、中国には、大別して5種類のECが存在するということです。このような国は、他にはあまりありません。
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