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長野 猟銃立てこもり事件 8年前に猟銃所持規制緩和 「ぼっち」 「拡大自殺」、どうすれば抑止できるか?
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長野県中野市で男が猟銃を発砲するなどし、警察官らが死亡した事件は、5月26日、長野県警が男の身柄を確保、警察官1人に対する殺人容疑で逮捕した。
一方、負傷して屋外に残されていた高齢女性は、同日に死亡が確認される。死者は計4人になった。
一つの事件で複数の警察官が殉職したのは、1990年に沖縄県で暴力団の抗争で警戒中だった警察官2人が、組員と誤認されて銃で撃たれて死亡した事件以来とのこと(1)。
2016年7月に発生した相模原障害施設以降、しばしば強い復讐心を抱き、不特定多数の人々を巻き添えにする「拡大自殺」と呼ばれる行為が後を絶たない。
無論、同じような事例は、大量殺人、自爆テロといった行為で世界中でなされている。
復讐の対象となるのは、特定の集団のこともあれば、社会全体でもある。このような強い復讐心を生む要因は、強い絶望感だ(2)。
注意しなければならないのは、最近起こった市川猿之助の事件のような無理心中も「拡大自殺」と同列に論じなければならないこと。
「絶望感に由来する自殺願望と復讐願望は、親子心中や介護心中などの無理心中にも通じる。わが子、親、配偶者などを手にかけて自分自身も死のうとするのは、他の選択肢が考えられないほど思い詰めているからであり、そこまで自分たちを追い詰めた周囲もしくは社会に対する復讐願望が潜んでいることが多い。困ったことに、こうした復讐願望を本人は意識しておらず、しばしば一緒に死ぬ方が幸せと思い込んでいる」(3)
という。
目次
・8年前に猟銃所持規制緩和
・「ぼっち」
・「拡大自殺」 どうすれば抑止できるか?
・8年前に猟銃所持規制緩和
事件では、容疑者の男は県の公安委員会の許可を得て銃を所持し、そのうち1丁を事件で使用したとされる。
公安委員会の許可には、精神科の医師かかかりつけ医師の診断書が必要であるが、今回の事件により、銃の所持についての医師の診断のあり方に注目が。
ある関東地方の50代の精神医師は、だいたい数カ月に一度の頻度で猟銃の所持許可のための診断書を書くという。眠れないことはないか、アルコールを飲みすぎてはいないかなどを、1時間かけて聞くという。
それでも、
「ただ、うそをつかれたら終わりです」(4)
と話す。そのため、
「万が一なにかがあったら、責任を取ることができない」(5)
と、そもそも銃の所持許可の診断書を目的とした初診患者を断っている医療機関も少なくないとのこと。
しかし有害鳥獣駆除をする農村部の中には、精神科医がいない地域もある。
そのため、大日本猟友会や自民党の議員連盟は、農村部で鳥獣駆除を担う銃所持者にとって、3年に1回、近くにいない精神科医を受診するのは負担が大きいとして改善を要望。
2015年3月に改正銃刀法施行規則が施行され、精神科医に限定していた許可・更新時に提出する診断書の作成が、かかりつけ医にも認められることになった。
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