「体と心のセックス・ライフ」Section-960『麻由美とトオルのラブホ（１）』

　麻由美とラブホに行ったのは、昨年の１０月初旬、８か月前のこと。 　彼女たちとの記憶をつぶさに書いていたら、８か月もかかってしまった。こ れを書けるのは、その日のエッチ日誌をつけているから。日誌は要点を記した もので、時系列でなにをしたか、どんな話をしたかなどが書かれている。記憶 を呼び覚ますための鍵のようなものだ。 　それを元にして、細部を描写し、メルマガ記事に仕上げている。 ♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ 　　　　　　　　　　★　体と心のセックス・ライフ　★　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　≪　Section　９６０　≫ 　　　　　　　　　　『麻由美とトオルのラブホ（１）』 　　　　　　　　　　　 ……　2023/6/10号　…… ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂ 　この８か月の間に、大きな変化が麻由美にはあった。 　彼女は文哉との妊活を行い、現在は妊娠７か月くらい。出産予定は８月だ。 第３子となり、彼女のお腹はずいぶんと大きくなっている。 　３人目ともなると、彼女の妊婦生活は慣れたもの。３人目を生むのは彼女が 初めてだが、みんなのサポートがあるから、ストレスを抱えることなく順調だ。 　というわけで、麻由美編は妊娠前のこととなる。 　麻由美は、一時期パートの仕事をしていたが、現在は子育てに専念するため に無職だ。東京に出てくる前に公務員をしていて、そのときの貯金が子育て資 金として生かされている。将来を見据えて貯金していたわけではなく、質素な 節約生活をしていたから貯まっただけだという。当時、自分が子供を産むのは 想像していなかったのだとか。 　前にも書いているが、麻由美の過去について、少し振り返っておこう。 　彼女はオレと出会うまでは、男性不信だった。かつて、つきあっていた男か ら、セックスを強要される強姦未遂があり、ストーカーまでされてしまったの が原因だった。 　そんな彼女でも、性への興味、つまりセックスへの興味はあった。自分の中 にある性欲に悩んでいたのだ。オナニーで性欲を多少は発散できても、物足り なさを感じていたという。 　しかし、男とつきあうのには抵抗感と恐怖感があった。過去のことがトラウ マになっていたのだ。 　セックスに関する情報を探していて、オレのメルマガに辿り着いた。そして 読者となり、オレたちのセックス事情を読むうちに、オレがやっていたセック ス教室に興味を持った。 　彼女はいった。 「トオルさんに恋をしてしまったの。トオルさんとセックスしたいと思うよう になった」と。 　オレにメールを送るのにずいぶん迷ったそうだが、最終的には送信ボタンを 押した。 　彼女にとっては、一大決心だったと思う。 　それからオレと彼女の関係が始まった。バージンの彼女は、３６歳だった。 遅咲きの花は、女として一気に開花することになった。