第136号中編「ディープな錦糸町まち歩きツアー（続き北口編）」

久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」 授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと 毎月第1-4 火曜日発行 vol.136　2023/06/13発行 *========*========*=======*=======* 第136号中編　錦糸町駅北口にもディープなお店がずらり *========*========*=======*=======* ２. 今週の東奔西走＆七転八倒 都市開発のプロと大学生を連れて錦糸町まち歩き（北口編） さて、錦糸町駅の北口は、南口よりはこじんまり見えるかもしれません。オフィスタワーが３棟にはさまれて、ショッピングビル「アルカキット」、東武ホテルレバント東京、すみだトリフォニーホールが並ぶ一大再開発ゾーンです。 エキナカには、スタバ、成城石井、ZARAが並んでいます。隣接するアルカキットは、もともと、そごう百貨店だったのですが、今は、三井不動産グループが運営をしており、ららぽーとに入っていそうな有名ショップが並びますが、圧巻は１フロアを使い切っているダイソーとアカチャンホンポでしょう。地下のスーパー、ライフと合わせ、近隣のマンションに住む共働きの子育て世代には、この上なく便利だと思います。 しかし、私が案内したいのはディープな場所。 といっても真っ先にご案内したのは、駅前の錦糸公園でした。ここは、桜の名所として新東京百景にも選ばれています。久米ゼミの中国人留学生も、墨田区でここで見る桜が一番美しく家族を案内したいというほど。 4人をご案内して、みんな驚いたのは、この公園の遊具で遊んでいる親子連れがとても多いこと。10年前なら、この公園も老人の方が目立っていたのですが、様変わりしました。おそらく、子育ての場所探しで、錦糸町界隈のマンションを見に来た若いカップルは、駅前の充実した買い物環境に加え、この公園の家族連れを観て、心惹かれたことでありましょう。 しかし、ここは立て札ひとつありませんが、東京大空襲で亡くなった身元不明の1万5千体もの遺体が、しばらく仮埋葬されていた、言わば「負の歴史遺産」でもあります。この場所で、親子が笑顔で遊ぶ平和な風景は、無念のうちに亡くなった慰霊の鎮魂にもなっていることでしょう。 さらに、ここは「すみだストリートジャズフェスティバル」「すみだまつり」などの楽しいイベント会場としても活用されています。 公園内にある墨田区総合体育館は、プール、トレーニング室なども兼ね備えて区民に開放されています。名誉区民でもあるホームラン王、王 貞治さんの記念展示室もあります。 そして、この体育館は地元が誇り、今年全国優勝を果たしたプロフットサールチーム「フウガドールすみだ」の本拠地でもあり、来る6月16日も試合が開催されます。 「フウガドールすみだ」が、まだアマチュアだったころから、東京東信用金庫や地元の中小企業が応援しています。それは、選手の多くが墨田区民になり、地元を愛してくれているからです。 みんなで錦糸公園で記念撮影したベンチは、久米繊維がスカイツリー完成時に寄付したものなのですが、昨年大ヒットしたアニメ「リコリスリコイル」で主人公二人が座った聖地でもあるのです。このアニメのおかげで、墨田観光協会が主催した聖地巡りツアーには、全国からファンが集まりました。