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【Vol.349】「エジプト紀行」(2)

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2023/6/14 Vol.349 「エジプト紀行」(2) 誰もいない早朝、スフィンクスと息子と3ショットになった、あまりに特別な時間を過ごしても、このまま余韻に浸ってはいられません。初めて訪れた、お世辞にも治安のいいとはいえない街で、7歳の息子をつれた旦那が、早朝パンを買いに行くと出ていったきり帰ってこない状態NOW。ヘタしたら妻が通報している可能性もなくはない。ないけど。 7時の開園になり、入口付近より観光客も少なからず入ってきました。人生においてもメモリアルになるであろう時間を終わらせ、出口に向かいます。もったいないけど、さすがに妻と娘が心配してるはず。してないかもだけど。 園内を出て、とりあえず当初の目的、朝食を買いに。埃が舞う、整備されていない道を息子の手をつないで歩きます。客引きが声かけてくるのは、全然、問題ないのだけれど、まだ7時だよ(汗) 朝からボッたくろうとするなよ。 ホテルの目の前がスフィンクス、クフ王、カフラー王のピラミッド。道を挟んで部屋の窓から見える距離です。そこから歩いて5分ほどで、ちょっとしたお店がな並ぶエリアに。 埃まみれで、破れた衣類が数着、建物の前にハンガーでかけられて、なにごとかと見てみると、営業している衣料品店だと知って、驚く。前夜、目星をつけていたパン屋さんに向かう途中、廃墟かと思うような建物の野外で、パン(みたいなもの)を焼いている店(みたいなもの)を発見。ラクダの行列がその間を通り抜ける。ラクダの行者が乗ったまま、店頭のオヤジに小銭を渡して、パン(みたいなもの)を受け取っている。ということは、販売しているということは間違いなさそう。衛生面はこの街に到着した昨夜の時点で、諦めてる。いくらだろう、と見ていると、店の人間が近づいてきて、値段を告げる。日本円でたしか30円くらいだ思います。ポケットから50円くらいを渡すと、左手に火のついたタバコを持ったまま、右手でパン、、といってもフォカッチャのような小麦粉を焼いただけの生地を渡される。裸で。お釣り、、、の概念すら知らない、といった当たり前の雰囲気で、彼はその場から去っていく。 ひとくち食べてみる。まったく味しない。普通、こういうところで食べると、旅行先のテンションに加え、異国情緒な現地の雰囲気も手伝い、美味しく感じるもの。でも、美味しいも、美味しくないも、味自体がない。しいていうなら、小麦を焼いた味。「なに、これ、味しないよ、パパ」と7歳の息子。ニューヨークという世界でもっともグルメな街でしか暮らしたことのない、そして東京というもっとグルメな街で滞在することの多い7歳児の率直な意見。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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