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『 田中優の未来レポート 』
第285号/2023.6.15
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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「生殖危機」の現実(上)
先日「こどもケミネット」の設立総会があって、オフラインで参加していた。
要は今の地球上では、ヒトの生殖や成長に関して大変な事態が進行中なのだ。
一つ身近な例を取ると、こどもたちの「発達障害児」が非常に増えていて、文科省のデータによれば(令和2年度)、小・中・高等学校で特別支援学級の在籍者及び通級指導を受けている児童・生徒のうち、「注意欠陥多動性障害」・「学習障害」・「自閉症」・「情緒障害」児の数はcに上っている。
それは統計が始まった平成18年度と比較すると、12倍以上になっており、この間ずっと上昇傾向が続いている。特に多いのは「注意欠陥多動性障害(ADHD)」が平成18年度の20.7倍、「学習障害」は22.7倍と、著しい増加を示している。昨年文科省が行った小・中・高等学校の通常学級の児童・生徒中の発達障害と疑われる者の割合は、8.8%にのぼりました。前回調査(2012年)では6.5%でしたので、明らかに増加している。
これ自体が大問題だが、同じくらい問題なのが子どもが生まれなくなっていること。
このことが気にかかっていたので。「生殖危機」--化学物質がヒトの生殖能力を奪う--という本を読んでみた。
それと前後して「地球を脅かす化学物質」(木村-黒田純子著)も読んだ。
どちらも良い本で、同じ事態のことが書いてある。
要は
「環境ホルモン」と呼ばれる内分泌ホルモンかく乱物質によって、子どもが授かりにくくなっている現実と、
こどもの成長が脳神経と内分泌ホルモンをかく乱させる「偽ホルモン」のせいで健やかな発達が困難になっている
という話だ。
しかし厄介なことに、どの物質がどの神経に対して影響を及ぼしているのかがわからない。調べてみると、そもそも「内分泌ホルモン」と「神経伝達物質」は違う。物質が違うわけではない。
「経路」と伝わり方が違うのだ。
ここでわかりやすくするために、授業中の情報伝達を例にして考えてみよう。
「今、なんて言ったかわかる?」とか、「授業の後どこで昼めし食う?」というのを相談するとき、できるだけ小さな声でひそひそ話す。だけど同じように先生が小さな声でひそひそ喋ったんでは学生は聞こえなくて困るだろう。
このひそひそ話が「神経伝達物質」で、
聞こえるようにとマイクの大声で教室全体に聞こえるように話すのが「内分泌ホルモン」での伝え方だ。
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